観光名所・奈良のホテル数が全国最下位の謎 あの大仏でも宿泊客を引きとめられない?
この原因について、奈良では、かつて都が奈良から京都に移った際、うまいものも根こそぎ持っていかれた、なんてまことしやかにつぶやかれているのだが、真偽のほどは謎のままである。
建造物の高さ制限に加え、遺跡出土でホテル建設が進まない
少ないとはいえ、奈良に宿泊施設があるのは事実。実際のところ、ホテル経営は大丈夫なのか?余計なお世話だとは知りつつ、市内にある某ホテルを取材させてもらった。取材は2月だったが、なんと全175室の内、空室が135。さらに厳しいときは、空室155という日もあったとか。
実際、データによると、奈良は宿泊施設が少ないだけでなく、客室稼働率でも全国39位と苦戦気味。いったいなぜこんなことになってしまっているのか、取材班は奈良で30年以上ホテル経営をされている「ホテルサンルート奈良」の中野さんに話を聞いてみた。
中野さんによると、奈良の市街地には建造物の厳しい高さ制限がある。宿泊施設の場合、建物の高さは部屋数に影響するため、高さ制限によって、経営が成り立たなくなってしまうこともあるという。ちなみに、県内でいちばん高いビルは「ホテル日航奈良」でたったの46メートル。また、調べてみると、奈良でビルの建設工事中に地中から遺跡が発見され、工事が中断したという事例も。これらのことから、奈良の市街地に新たなホテルを建設することに二の足を踏む建設業者もいるという。
と、ここまで奈良の残念なポイントを伝えてきたが、奈良県もそんな状況に手をこまねいているばかりではない!
奈良に一筋の光!滞在客を増やすため奮闘中
奈良県は、観光客が夜にも食事や買い物をするために便利なガイドマップを作成!さらにホテル不足解消のため、国際級ホテルの誘致が決定しており、2020年の東京オリンピックまでにオープンする予定だという。
朗報は、東京〜大阪間を結ぶ予定のリニア中央新幹線が奈良を通ることがほぼ決定したこと。これは、観光客を見込める大チャンスである。ただし、開業予定は2045年!……あと30年ある。
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