2014年度の賃金は前年割れだった! 「官製」春闘の効果は薄く、2015年度にも不安

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消費増税の一方で所定内給与は前年よりも減っていた(写真:kou/PIXTA)

4月3日、厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」の結果がエコノミストたちに、少なからぬ衝撃をもたらした。

同調査では事業所の新設・廃止や産業構造の変化に対応するため3年に一度、規模30人以上の事業所について調査対象の入れ替えを行う。これに伴い、過去3年間の数値が修正されるのだが、今回、賃金にかかわる数値が大きく下方修正されたのだ。

過去2回の調査対象の入れ替えの際にも賃金については下方修正が行われており、これは「期間が経過するうちに賃金の支払いに余裕のない企業が廃業や倒産などで退出していくため、調査対象入れ替え前の数値が高めになっているからではないか」(厚生労働省の雇用・賃金福祉統計課)と見られている。

今回は、そもそも3月31日の発表予定が延期されたこともあって、「政府にとって都合の悪い結果が出てしまい混乱したのではないか」という憶測まで飛んだ(後にプログラム処理に一部ミスがあったと公表)。

「官製」春闘でベア復活なのに

2014年度については、安倍政権が大手企業に賃上げを要請する「官製」春闘によって、ほぼ6年ぶりにベースアップが行われ、賃金が前年比で上昇したとされていた。

ところが、修正後、賃金の基本であり、消費を大きく左右する所定内給与(事業所規模5人以上、全産業)は2014年も毎月、前年割れの続いていたことが明らかになった。修正前の数値よりも毎月0.3~0.4ポイント下方に修正され、暦年では修正前の前年比横ばいから修正後は0.4%の減少となった。

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