遠藤章造「一流ではない自分」が残ってきた方法 ピッチャーに例えるなら年間8勝がちょうどいい

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あと「とんねるず」の木梨憲武さん。昔からお世話になっているんですけど、自分が50歳を超えて「これが人生の楽しみ方なんやな」と心底教わっています。

すごく気を遣われる方で、食事中もどんな若手にもやさしい。「飲んでる?」と自ら動いてお酒を注ぐ。ゴルフに行っても人のクラブを担いで走る。そして、何をしゃべるにしてもネガティブなことをおっしゃらない。そういう一つひとつが周りをハッピーにする。結果、自分もハッピーになる。そういうコツみたいなものがあるんだなと。

先日も、食事をご馳走になって、帰り道でいつものようにお礼のメールをお送りしたんです。ただ、いつもこんな流れが当たり前だと思ってはいけないという自分への戒めも込めて「こんなに有り難いことをしていただけるのは当たり前ではないと思っています」みたいなことを送ったんです。そうしたら、返信メールがあって「いえいえ、当たり前ですよ」と。

一言の向こう側に果てしない奥行きがあるというか。出会ったのも、楽しんでいるのも、全て当たり前。やさしいとか、大きいとか、そんな言葉では足りないことを感じました。

「アホやけど“相手にされるアホ”であり続けたい」と語る遠藤章造さん(筆者撮影)

そうやって一流の方にたくさんお世話になってきました。そんな中で一流ではない自分がなぜ30年もやってこられたのか。一つ思うのは、いかにハードルを下げるか。それはあると思います。

僕が20代の頃に島田紳助さんから聞いたんですけど、一番エエのは年間8勝くらいのピッチャーだと。20勝してしまうと、それが当たり前になって18勝でも「おい、どうしたんや」となる。でも、8勝なら6勝になってもクビにはならないし、何かの加減で15勝くらいしたら給料がボーンと上がる。

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