広島マツダ「障害者マネ動画」の謝罪が酷すぎる訳 従業員が炎上、会社の対応が火に油を注いだ
実際、ツイッターには「揶揄するつもりでなければ何だったのか」「『つもりはなかった』は謝罪ではない」と、謝罪で批判は沈静化するどころか加熱するありさまだった。
広島マツダは「あるまじき行為を行い、誠に申し訳ございませんでした」などと、ストレートに謝罪すべきだったのだ。謝罪時に少しでも「逃げの姿勢」を見せれば、それがさらなる追及材料となってしまうからだ。
なお、今回の謝罪文だが、このように結ばれている。
公式サイトによると、広島マツダの従業数は565名。文中の「再発防止に向けた取り組み」がどのようなものか明示されていないが、「従業員研修」の類を指しているのだろう。
だが、「現場」にこれだけの数の従業員がいると、どのような研修を行ったとしても完全に律することなど不可能だろう。だからこそ「本社」による事後対応が重要となってくる。
これは何も広島マツダに限った話ではなく、「現場」に多くのスタッフを抱える企業に共通のSNS時代の課題だろう。
「本当のトップ」の謝罪でもなかった
次に、(2)謝罪文の「名義」の問題点について。今回出された謝罪文は「社長名」によるものだったが、これもまた問題だった。
こう書くと「会社のトップである社長の名前で謝罪文を出すことに何の問題があるのか」と思われることだろう。確かに広島マツダの「トップ」が社長であれば、何の問題もない。だが、広島マツダの「トップ」は社長ではないのだ。
広島マツダの公式サイトを見ると、「トップメッセージ」が掲載されている。そこで「トップ」として登場しているのは、「代表取締役会長兼CEO」の松田哲也氏だ。
最新の新卒採用サイトを見ても、「ご挨拶」として「代表取締役会長兼CEO 松田哲也」「代表取締役社長兼COO 山根一郎」の順で掲載されている。社のトップが名実ともに「CEO(最高経営責任者)」である松田哲也会長であることは明らかだろう。
広島マツダとしては「創業家を謝罪の矢面に出すわけにはいかない。番頭たる社長が対応しなくては」といった「お家の事情」があったのかもしれない。だが、やはり謝罪は「本当のトップ」主導で行うべきだった。「本当のトップ」が前面に出なければ、「謝罪の強い意思」が伝わらないからだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら