半年後に「リーマンショック級の金融危機」あるか 過去の金融危機からアメリカが学んでいること

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シリコンバレー銀行、およびファースト・リパブリック銀行の破綻が、アメリカ史上2番目の規模という時、そこでは(「投資銀行」は外され)預金を有する「商業銀行」を対象としているのだ。

リーマンショックは、実は「投資銀行」の落日でもあった。どういうことか。リーマンショックとは、まさにアメリカの大手投資銀行が1つずつ崩れていくストーリーであった。

レバレッジ比率(自己資本に対する負債の比率)が30倍を超えアメリカ5大投資銀行の中で最も高かった業界5位のベアー・スターンズが、まず経営不安に陥り、ニューヨーク連邦準備銀行の支援の下、2008年3月に商業銀行JPモルガンに買収された。

そして「半年」後の9月、4位のリーマン・ブラザーズが破綻。買い手候補に挙がっていた商業銀行バンク・オブ・アメリカが、3位のメリル・リンチ買収に向かったのが、リーマン破綻回避ができなかった最後の理由の1つであった。

残る投資銀行、すなわち、2位のモルガン・スタンレーそして最大手のゴールドマン・サックスにも市場の疑念が襲い、株価が下落し「資本」が低下していく。防衛のために出資者を求めたモルガンは、中国に期待していたが折り合わず、そこで救世主として急浮上したのが三菱東京UFJフィナンシャル・グループであり、約20%の株式に対し90億ドルを出資した。

ゴールドマン・サックスも、アメリカを代表する投資家であるウォーレン・バフェットに有利な条件を付けて頼み込み、優先株を50億ドル買ってもらって、株価急降下阻止を図った。

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