半年後に「リーマンショック級の金融危機」あるか 過去の金融危機からアメリカが学んでいること

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この一連のアメリカ"3S+F"地銀とクレディ・スイスによる金融不安は、金融危機が決して過去のものではなく、つねに「今ここにある危機」であることを、世に示している。

めったに起こるべきではない金融危機ではあるが、歴史を振り返れば、むしろしばしば起こってきた現象と言い得るものであり、経済史上、枚挙にいとまがない。いったん起こって深刻化してしまうと甚大な社会的影響を与えかねない金融危機について、我々は、その対応策の重要性を忘れてはならないだろう。

もっとも、1930年代の世界大恐慌や1920年代の昭和金融恐慌を引いても、当時の世界的な金本位制や保護貿易主義など、時代が違いすぎて、なかなか参考になり難い。

この点、現在のグローバル経済下における著しく深刻な金融危機として、1990~2000年代に発生した「リーマンショック」、およびそれに先立ち歴史的に近接して、同じく経済大国であり先進民主主義国家である日本が経験した「平成金融危機」――本稿において「日米金融危機」とは、この両危機を指す――への対応とその教訓は、いざという時に備えるための政策分析・立案における貴重な価値を、引き続き有するであろう。

平成金融危機、リーマンショック「7つの教訓」

拙著では以下を、平成金融危機およびリーマンショックからの「7つの教訓」としている。

【1】銀行が資本支援を断る可能性
 【2】救済パッケージを十分に大型とすること
 【3】ソルベンシー(純資産)問題解決における資産買い取りプログラムの限界
 【4】支援を信用性のある検査プログラムと結び付ける重要性
 【5】国有化の危険性
 【6】(中小企業向け貸し出し促進など)政治主導的貸し出しの危険性
 【7】銀行の回復におけるマクロ経済成長の重大な役割

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