「子どもに距離を置かれる親」には共通点がある 「指示・命令」「べき論」あと1つは…?
不安と不満は違います。これを聞き分けることが重要なのです。
「ピッチャーがちゃんと投げないから試合に負けたんだ」という言葉は、「自分は悪くない。悪いのはピッチャーだ」と言っているわけです。不満は、自分以外のことを言っているのです。
不満は聞いてはいけない
不満をずっと親身に聞いていると、どんどんその子の不満の思いが強くなるので注意が必要です。
しかも、「親はわかってくれた」「監督は理解してくれた」などと他責にしている自分を肯定し始めます。このままでは「あれが嫌」「この人と一緒だからダメ」などと不満ばかり言うようになって、できないことを他責にする習慣が脳にできあがってしまいます。
だから、不満は聞いてはいけないとお伝えしています。
もし、子どもが不満を言ってきたら「そうなんだ」と、とりあえずそのように思っているということを受けとめた後に、「でもな……」と諭すことが有効です。まずはYesで受けとめ、Butで返すのです。逆に、不安は自分のことを言っています。
「自分が大事なところでヒットを打てなかったから負けたんだ」という言葉は、「自分のせいでチームに迷惑をかけた」ということであり、裏を返せば「チームに貢献したい」という気持ちの表れでもあります。
だから、その気持ちをしっかりと受けとめながら話を聞いてあげてください。
実は、不安な気持ちはダメなわけではなく、不安があるからこそ、「もっとがんばろう」「まだまだこんなもんじゃない」と努力することができるのです。
その昔に「モンスターペアレント」という言葉が流行りました。子どもの言い分だけを聞き入れて、学校に苦情を言ってくる親のことです。このときの子どもの言い分は大概、不満を言っているはずです。
親としての、人としての姿勢が問われますね。もちろん、学校側やチーム側に非がある場合は別ですよ。
「何を言ってもやる気になってくれない子にどう接したらいいのでしょうか」
PTA講演会の質問タイムに親御さんからこのような相談がよくあります。
「ほら、また勉強もしないで……」
「やるって言っていたのに、全然やっていないじゃない」
「取り組む姿勢がなっていない」
「何度も言っているのにわかっていない」
そもそも、こんなふうにあれこれ言うということは、その子を信頼していないということです。だから子どもや生徒もそのことを実現しているに過ぎないのです。
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