「子どもに距離を置かれる親」には共通点がある 「指示・命令」「べき論」あと1つは…?

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① 「べき論」で接しない

距離感を適度に保ち良いパートナーとなるためには「安心して話のできる」間柄であることがまず必要です。

相手に対する警戒心を解くことができると、本音で話せるようになります。親や指導者に安心感を抱けば、子どもは本音で話しやすくなり、より多くの課題や気づきを引き出すことができます。

また、子どもは「失敗しても受け入れてもらえる」という安心感があってはじめて、行動に移すことが容易になります。

そして、「行動」そのものがワクワクチャレンジとなり、より大きな成果をあげることができるようになるのです。

こちらが先入観をもつと、相手は本音で話しづらくなる

そのために、まずは、先入観を捨てて、寄り添うように接してみましょう。

人それぞれこうあるべき、こうするべきという「べき論」になりがちですが、こちらが先入観をもって接すると相手は「本音」で話しづらくなってしまいます。まずは何でも話せる雰囲気づくりをすることに注力します。

例えば、責め立てるような口調で話すと、安心できる場ではなくなりますね。腕組みして眉間にしわを寄せている時点で、すでに話す気もなくなってしまいます。

また、話をしているのにスマホを触っていたり、違うところを見ていたりすることがあります。このような態度や行動をされると、話を聞いてくれているとは感じないですよね。

話を聞く際には、ちゃんと相手を見ること。相手に集中するのです。そして、話している事柄だけではなく、「口にしていない言葉」を感じ取るようにしてみます。これは態度や表情、しぐさなどを注意深く見ていればわかります。不安そうにしているのか、楽しそうにしているのか、話の内容だけではわからないところが見えてきます。

また、具体的に言葉で表すこともいいですね。「安心して話をしていいよ。遠慮しないで何でも話していいからね」とひと言添えるだけでも話しやすくなります。

他にも、相手が不安そうだなと感じたら「大丈夫」と言ってあげる。いい感じだったら「オッケー」と明るく言ってあげる。シンプルな言葉でいいのです。自分が何かの役割を引き継ぐときに「あとは任せて」と言う。安心感をつくり、「本音で話せる」環境を整えましょう。

② 「不安」と「不満」を聞き分ける

「ピッチャーがちゃんと投げないから試合に負けたんだ」と、「自分が大事なところでヒットを打てなかったから負けたんだ」という言葉。

どちらも野球の試合に負けたことを表現しているのですが、ちょっとニュアンスが違うことにお気づきになると思います。前者は「不満」を言っており、後者は「不安」を言っているのです。

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