ChatGPTは莫大な資源を使用、持続性に疑問も 省エネ化を武器に、日本のAI開発に勝ち筋
橋下氏:著作権といっても、しっかり認識しなければいけないのは、表現物に対して権利が発生するということ。AIが作成した表現物が誰かのものと似ていれば、著作権侵害だ。だけどもちまたにあるデータをいろいろ入手すること、日々インターネットなど様々なところにある表現物を自分の頭の中に入れていくこと、これ自体は著作権侵害でもなんでもない。いったん頭に入れた物を表現したとき、これが他人の表現物に類似した場合に著作権侵害になる。これが著作権の基本原則だ。AIはものすごく情報収集能力が高い。自分が作ったものをAIに吸収されると自分のものの著作権を侵害されたように感じる。
世界を見渡すと、日本の著作権法はデータ入手のところはかなり自由だ。そういう著作権法になっているがゆえに、世界と比べれば日本はものすごくAI開発がやりやすい国だ。だから世界のAIの開発事業者が日本のほうに目を向けている。これは非常に大きなアドバンテージで、そのことをとても大切にして、AIの開発業者をどんどん呼び込んでくる、そういう国というものをしっかりと貫いてもらいたい。
“著作権侵害”の境界線は
松山キャスター:例えば、英国などは営利目的で著作権のある情報を集めることに規制をかけようとする動きがある。日本としてはどう考えるか。
平井氏:著作権法については橋下さんがいう通りだ。模倣と創造の線引き、真似して作るものとクリエイティブとの境目。人間の想像というのは何かの影響を受けて何かをつくっているが、AIは段違いのレベルで情報を集めてしまう。そのAIをどう扱うかだが、これも日本は世界に先駆けて、その権利をきちんとうまく回せるエコシステムを作ることが可能だ。つまり、元々のものをつくった人に何らかの報酬が行くようなシステムを日本がいち早く世界に先駆けてつくってしまえば、世界に一気に広がる。
橋下氏:著作権侵害でAIを禁止にするのではなく、利益を害される人に、それこそ税できちんとサポートしてあげて、AI開発では世界で一番開発しやすい国にする。久々に日本が世界の中でリードできる分野なのかなと思う。