ChatGPTは莫大な資源を使用、持続性に疑問も 省エネ化を武器に、日本のAI開発に勝ち筋
松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):中国のような専制主義国家が生成AIのような技術を使うことにへの懸念も(G7会合合意の)原則に入っている。
平井氏:そうだ。インターネットフリーダムの話も同時に別の会合で決めているのはそこだと思う。
橋下徹氏(番組コメテーター・弁護士・元大阪府知事・元大阪市長):(G7デジタル・科学技術相会合で合意した)AI活用5原則は当然守ることだが、規制と活用のバランスで言えば、やはり政治はバランスだけではなく、どちらかのスタンスを決めなければいけない。国家運営はアクセルやブレーキをどう踏むかだ。
AIに関して米国がブレーキを踏み始めるというのは、ものすごくアクセルを踏みまくってどんどんAIが進展していっているから当然ブレーキを踏まなければいけない。日本はAIで出遅れている。だからもっとアクセルを踏んでいくというスタンスを決めなければいけないのではないか。欧米がブレーキを踏むからといって、日本がブレーキ(を踏む)というのは違う。
平井氏:EU(欧州連合)もブレーキを踏んでいるわけでない。英国なども見て莫大な研究開発予算をつけている。米国も確かに大きな問題としては電力や環境破壊の問題がある。いまのままの莫大な資源を使うチャットGPTのようなAIはサステナブルでない。このままではだめだ。そういうところにこれから一斉に研究開発の分野が向いていく。省エネのような話は日本は大得意だ。チップにしても、通信、光のことにしても。日本がAIを十分に使いこなし、研究開発を進めることによってものすごく軽量化もできるし、省エネ化もできる。私はそこに日本の勝ち筋はあると見ている。
著作権侵害にも?生成AI「作品」は
松山キャスター:一つ問題として、AIが使うデータの著作権問題がある。
梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):玉木さん、こちらのイラストをどこかで見たことがあるか。
玉木雄一郎氏(国民民主党代表):富嶽三十六景だ。
梅津キャスター:そうだ。葛飾北斎の浮世絵、富嶽三十六景の中の一枚にとてもよく似ている。北斎の実際の絵がこちら。一方、左側の青い画像は、番組スタッフが画像生成AIを使って作ったイラストだ。その際に入力したキーワードが「葛飾北斎の浮世絵、波、富士山」などで、わずか数秒でこの画像が完成した。この画像については北斎没後170年以上経っており著作権は消滅しているため問題はない。しかし、仮に北斎が存命だとしたら問題になるのかもしれない。
AIはインターネット上の著作物を学習することで画像を生成している。著作権が切れていない物に関してもAIは学習し、それが作者に無断で行われているため、その是非がいま問われている。橋下さんの意見は「人間だって学習している」と。これはどういう意味か。