「エネルギー生産性を向上させるために必要な4大要素は、時間、空間、距離、在庫」。オムロンヘルスケアの曽根直樹・松阪工場長はそう話す。
松阪事業所では、曽根氏のいう4つすべてを半分にする「オールインハーフ」を掲げる。
消費電力量を可視化したうえで、「オールインハーフ」を目指して進められているのが、「自動機の稼働率改善」「生産ラインの改善」「需要連動型生産」の3つだ。
機器の稼働率が改善し在庫は削減
まず、自動機の稼働率改善。基板のはんだ付けをする実装機では、製造品目の切り替えや従業員の休憩などにより、稼働していない時間が生じる。そこで、生産ラインに基板が流れているか検知するセンサーなどを利用して、稼働していない時間を把握し、空き時間に行える生産を割り当てた。
生産ラインの改善では無駄なスペースの削減を行った。血圧計の生産ラインの1つは、14メートルあった1ラインの長さを10メートルに短縮できた。
省スペース化によって空調に使われる電力量が減るだけでなく、従業員の無駄な動きも削減される。
需要連動型生産は、文字どおり需要に合わせて製造する仕組みだ。以前は同じ製品を予備の在庫も含め、まとめて生産していた。だがオムロンでは、販売代理店や家電量販店といった市場で、どれくらいの製品が売れたかというデータが工場とつながっている。そこでこのデータに基づいて、余分な在庫を作らないようにする。
生産ラインの短縮や在庫削減で、工場内には空きスペースが生まれる。松阪工場の生産ラインは生産棟3棟に分散しているが、2030年度までに生産棟を1棟に集約する計画だ。生産集約で生まれたスペースは、外部に倉庫を借りている部品在庫の保管場所や試作用のラインに変える。
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