緊急提言 こうすれば財政破綻を回避できる 竹中平蔵・慶応義塾大学教授

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 つまり、経済の活性化と歳出削減を行ったうえで、団塊世代が後期高齢者となる2025年に消費税率が何%になるかを示す必要がある。

私の考える処方箋としては、まず「今後2年間でデフレを克服する」と宣言する。そして、規制緩和による経済活性化と、社会保障費の自然増抑制によって、前述の(1)と(2)の問題を増税なしで解決する。

そして(3)と(4)の目的のために、消費税を5%だけ上げる。そのうち半分は、社会保障充実に充てる。ただしそれは高齢者のためではなく、もっぱら女性の社会進出支援のため。高齢者の年金と医療に今以上のおカネを使うことはできない。私たちの世代は今の年金と医療を前提にしてやってきたのだから、自己責任。そういう自助自立の原則を再確認する必要がある。そして残りの2・5%分はTPP対策やインフラ整備など、経済活性化のために使う。

こうした方向性をきちんと示せば、高齢者も理解してくれるはずだ。日本国民は賢いから、リーダーが自助自立を訴えれば、きっとわかってくれる。日本の政治には懐が深いところがある。今は埋もれていても、総理という大役を得て、大化けする人間が必ず出てくると思う。

たけなか・へいぞう
1951年生まれ。一橋大学卒業後、日本開発銀行入行。ハーバード大客員准教授、慶大教授などを歴任。小泉政権で経済財政担当相、総務相などを務めた。経済学博士。


(撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年4月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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