どうする?突然の「列車運休」旅慣れた人の対処法 計画通りに行かなくても楽しむ余裕を持とう

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飯田線代行バス
JR飯田線が不通になった際の代行バス=2009年8月(筆者撮影)
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旅は計画するときから始まる。あれこれと行程を検討する時間は、ひょっとしたら実際の旅よりも楽しいかもしれない。目的地にどのように向うか、遠いところはもちろん、近いところでも様々な方法を探り始める。行きと帰りは違う経路にしたい、安価なきっぷはないか、一筆書きと呼ばれる長い片道切符を使えないか、飛行機やフェリーを組み合わせたらどうだろうと考えは尽きない。

2022年の鉄道150周年を記念して、「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス・お先にトクだ値スペシャル」という、JR東日本管内といくつかの鉄道会社線が3日間乗り放題のパスが販売された。利用期間は2023年3月2~15日であった。

私はJリーグ観戦が趣味で、ジェフユナイテッド市原・千葉を応援するためしばしばアウェーの試合に出かける。今シーズンは3月12日に秋田戦がある。利用しない手はない。いろいろ案は浮かんだが、三陸鉄道も利用できるので久しぶりに岩手県の宮古に行こうと考えた。試合当日でも早朝に出発すれば秋田には12時前に到着し、キックオフの14時には余裕で間に合う。それに太平洋側から日本海側まで横断するのも面白い。

3月11日の三陸へ

前日の3月11日、宮古で泊まることにした。偶然だがこの日に三陸を訪れることとなった。私は震災前から宮古に通っているのだが少々躊躇した。馴染みの店に連絡すると「ぜひお越しください」とのことであった。

東北新幹線を新花巻で降り、快速「はまゆり」で釜石に出て14時12分発宮古行きの三陸鉄道に乗車。パスの利用客も多く、旅行客でいっぱいだ。あれから12年。列車に向かって手を振る人々。天気にも恵まれどこまでも青い穏やかな海が広がる。

時刻が迫ってくる。車内では特別なアナウンスもなく14時46分、本州最東端の駅、岩手船越に到着。ドアが開くと町中に響き渡るサイレンの音が車内に飛び込んできた。向かいに座っている客とともに黙祷する。

宮古駅
宮古駅の駅舎=2023年3月11日(筆者撮影)
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