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ビジネス #日の丸「有機EL」の正念場

半導体のように有機ELでも「日本の逆転」は狙える 「開発の第一人者」はこれからが勝負と断言する

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──JOLEDは中型パネルの生産から開始しました。

JOLEDの印刷方式はスマホ用と同じシングル素子。大型テレビには使えない。だから、誰も生産していない中型パネル市場を選ぶしかなかったのだろう。

生産設備の基板サイズが小さく、素子構造からも大型には使えない。といってスマホ用の精細度は出せない。医療用モニターなどニッチ分野でのビジネスには限界がある。スマホか大型テレビかの大きな市場を選び、安く生産できる技術を実現できていたら望みがあったかもしれない。

産学連携のオールジャパンで

──JOLEDが印刷方式を採用したという経営判断に、そもそも無理があったということですか。

城戸淳二(きど・じゅんじ)/1959年生まれ。1984年早稲田大学理工学部応用科学科卒業、1989年ニューヨークポリテクニック大学大学院で博士修了。1989年より山形大学。1993年に世界初の白色発光素子の開発に成功。有機EL照明器具の実用化にも貢献(写真:本人提供)

時期が早すぎた。私は印刷方式を究極の技術だと思っている。

5年ほど前から印刷方式でもタンデム構造ができるようになった。あと2〜3年をかければ量産化へと持っていける段階にある。TFT(薄膜トランジスタ)基板も技術が完成しつつある。

有機ELは「これから」の市場だ。壁紙のように薄い100~120型の巨大テレビも実現できる。

技術には流れがある。中小型パネルは蒸着方式で実現され、次は大型テレビが印刷方式で出てくるとみている。究極の「オール印刷有機ELディスプレー」の実現はすぐそこまで来ている。

──液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は、中国のディスプレーメーカーのHKCと提携し、次世代有機ELの「eLEAP」(イーリープ)の量産工場の検討を進めています。

eLEAPは「金属マスク」(3色の発光材料を基板に付着させる際に用いる)を不要とする蒸着方式。ただ、蒸着方式による中小型パネルでの量産技術は、サムスンやLGがマスク方式で確立し、中国メーカーも進めている。JDIがわざわざ実績のない未知の技術で、乗り込んでいくメリットが見えづらい。

──JOLEDが工場を閉鎖したことで、国内から量産技術は途絶えてしまいます。

本当にもったいない。だが、JOLEDの生産方法では大幅なコスト低減効果が見込めなかった。彼らは有機EL素子の一部工程で印刷技術と蒸着技術を組み合わせていた。「オール印刷方式」ではなかった。蒸着方式は大型装置が必要で投資額が増えてしまう。

私も関わっている文部科学省のプロジェクトでは、TFT基板も含めた工程全部を印刷方式でやる技術開発を行ってきた。ディスプレーの試作もできており、塗布型でタンデム構造を生産する技術が完成しつつある。

産学連携のオールジャパンで戦うべきだ。装置はキヤノントッキやアルバック、材料は出光興産が強い。JOLEDやJDIにはまだ技術がある。あとはお金。どんなに技術的にリードしていても、最終的な量産段階ではお金をかけた国が勝つ。

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