稼ぐ営業が商談の始めに「絶対に口にしない」言葉 社名だけでなく相手の「名前」を発している

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B2B向け商材を扱っているA社の事例をご紹介します。

A社が扱っているのは、ウェブの商品説明を読めば機能や価値が簡単に分かるような商品ではなく、じっくりと説明する必要がある「説明商材」だったので、セミナーで導入事例や導入効果を紹介しました。

1時間のセミナーですべての機能や事例を紹介することは不可能だったので、参加者のニーズに合致しそうな情報に絞ってコンパクトに説明し、最後の15分を質疑応答に充てたのです。質問が出なければセミナーはそこで終え、質問が多く出れば延長して対応しました。

合計212回にわたるセミナーでの質問率(質問数/参加者数)と9か月以内の成約数は図25のようになりました。

(画像:『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』)

セミナーを始めた当初は、成約数が伸び悩みました。説明が主体となり、質問はあまり出ませんでした。

顧客に質問させることで検討する気にさせる

そこで説明する情報量を絞り、他の参加者からの質問例を紹介するようにしたところ、質問数が増え、セールス部門にパスする案件(SL:セールスリード)が徐々に増えてきました。

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『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

このようにセミナー運営が慣れてきて営業案件が創出されるようになると、最初は懐疑的だったセールス部門も、既存顧客を率先してセミナーに招待するようになりました。そうしてマーケティング部門とセールス部門の連携が強化され、よいサイクルが回り始めた頃から成約数が増えていきました。

顧客に質問させることで検討する気にさせて、その様子を見てセールス部門が売る気になる。この好循環サイクルの起点となったのが「情報を絞って説明すること」だったのです。

ちなみに、クライアント企業18社のオンラインセミナーを分析したところ、参加した顧客の質問数が増えれば増えるほど9か月以内に購買する確率が上がることが判明しました。

セミナーで個別質問をする顧客は当事者意識を持っている傾向にあり、回答後に検討に進むケースが増えています。

越川 慎司 クロスリバー代表取締役

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こしかわしんじ / Sinji Koshikawa

通信会社、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に株式会社クロスリバーを創業。ムダ取りコンサルタントとして800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。著書に『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)ほか多数。

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