ある5%セールスは、名前を呼ぶという行為は、「あなたに関心を持っていますよ」とサインを送っているのと同じだ、と言っていました。
「あなたの課題を解決したい」「あなたをヒーローにしたい」という思いが強い5%セールスは、おのずと会社名よりも人の名前を呼びかける傾向にあります。
商談のスタート時に相手の名前を呼ぶことをすべてのセールスに徹底させたあるIT企業は、顧客からの反応がよくなり、その後の商談成約率改善につながったと話してくれました。
会社ではなく人に興味を示し、人対人で対話する。こうした地味な言動で、少しずつ相手との距離を近づけ環境を強化していくのでしょう。ローリスク・ローリターンの行動を積み重ねると、信頼も積み上がり、盤石な関係を構築しやすいのです。
5%セールスは、こうした人間関係の構築によって、ずっと成果を出し続けることができるのでしょう。
説明は情報を絞り、顧客に「質問させる」
「(自分たちが)伝えたいこと」と「(相手が)知りたいこと」にはギャップがあります。
5%セールスは、次のように発言しています。
「100の情報を伝えたら100伝わることはない」
「情報が多ければ多いほど相手は納得しやすいわけでははない」
また、こう言っている小売業の5%セールスもいました。
「一生懸命に伝えても、相手が記憶に残すのはせいぜい20%ぐらい」
つまり、セールスが商談に臨むとき、100%の情報を用意しなければならないということはないのです。5%セールスは、「最初は70%程度の情報を伝えれば十分。それを聞いた顧客が、もっと詳しく聞かせてほしいと質問してくるぐらいがちょうどいい」と言っていました。
では、情報をどのように絞るとよいのでしょうか?
5%セールスは、相手の興味関心、相手の課題、相手の環境、相手がどういう人か、といったことを理解したうえで、「相手が知りたいこと」を仮決めして、それを提示していました。
また、「相手にどういう行動を起こしてほしいか」ということから逆算して情報を絞っていくのも重要です。顧客が持っている課題をイメージさせて、その課題の解決を自分事として考えてもらうよう誘導するのです。そのためには、商談の冒頭で説明する情報は、考えるきっかけを与える情報に絞ったほうがよいのです。
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