子どもに絶対言ってはいけない「逆効果ワード」 「言うことを聞かない」と責め立てても意味なし

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間違った言葉がけをしないために、今回は、言うことを聞かない子にやってはいけない言動を3つのシチュエーション別にご紹介していきます。

また、どう言い換えればいいのか、どう接すればいいのか対処法もご紹介しています。

甲子園球児やオリンピックメダリストなどの若いアスリートの指導でも実際に用いている言葉がけです。とくに子どもを持つ親御さんや子どもに関わる先生・コーチの方は、ぜひ普段から実践してみてください。

責めるような言動と否定的な感情が記憶されてしまう

①    「なんでできなかったんだ?」「なぜやらないんだ?」

相手が失敗してしまったときに、「責める」という行為は絶対に避けたいところです。とくに「なんでできなかったんだ?」「なぜやらないんだ?」このような言葉かけは、やめてほしいのです。これを私は「責め心」と呼んでいます。

実は「なぜ」という言葉の使い方が肝心です。目的を尋ねる際の「なぜ」はいいのですが、否定形の言葉と組み合わせると責めるような文章になってしまいます。理由を尋ねているつもりでも、相手は責められていると感じてしまうため、本当のことを言いづらくなってしまいます。

とくにミスをしたときなどは、「なんでできないんだ!」「なんでやらないんだ!」「お前はバカか!」などと強い口調で相手を責めることがあります。

人は責められると、「その場から逃げよう」という心理状態になります。言われた本人は「ごめんなさい」「次はちゃんとやります」と答えますが、その場しのぎで終わります。

しかも言われた言葉はまったくと言っていいほど頭に残っていません。残っているのは「怒られた」という感情と怒っている人の顔の表情だけです。

そして、その出来事と言っている人の表情、否定的な感情が一緒に脳に記憶されます。これが繰り返し行われることで、記憶が強化され、同じ場面になるとイメージのフラッシュバックが起きて身体がそのイメージのとおりに動こうとします。

つまり、本当は「できない」わけでも「バカ」でもないのです。記憶力がよすぎて過去の失敗やミスが忘れられないだけなのです。その結果、同じような場面になると、同じ失敗やミスを繰り返してしまうということにつながるのです。

次ページ指導する側の「責め心」は消し去る
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