そこで以下では、「逆向き文章法」の具体的な手続きを述べることとしよう。
なお、以下では、経済問題についての論考を書くことを想定するが、他のジャンルの文章の場合も、基本的には同じ方法で行うことができる。
指示は詳細に行う
指示は、できるだけ詳細に行う必要がある。経済問題に関する文章の場合、以下のようにするのが適当だろう。
第1に、最近のデータを求める。指示をしないと、生成系AIは古いデータを参照することがある。しかし、経済問題については、古いデータは役立たない場合が多い。
第2に、データや資料の参照先を限定し、かつ出所のURLを求める。これはChatGPTなどの生成系AIが提示するデータや資料に信頼が置けないため、それを元のサイトで確認するためだ。
具体的には、次のように指示する。「データや資料は、できる限り最近のもの、そして、政府、公的機関、国際機関のもの、あるいは新聞記事を参照してください。また、データ出所のURLも示してください」
ただし、示されたURLに当該データが見つからない場合も多い。あるいは、示されたURLが国際機関などのホームページのものであるため、膨大なウェブサイトのどこに当該データがあるかがわからず、役に立たない場合もある。
日本語の場合、文語体と口語体のいずれで書くかという問題がある。いずれにするかを自由に選択できず、どちらかの文体にしなければならない場合が多い。ところが、生成系AIを相手にすると、これが意外に面倒だ。
口語体の文章が必要な場合、単に「口語体」と指定するだけでは、「……だよ」のように過度に砕けた表現になることがある。そこで、つぎのように指示する。
「つぎの内容を**字程度の口語体で書いてください。口語体とは、「です、ます調」のこと。ただし、日常会話のような砕けた表現でなく、正式な文章の口語体としてください」
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