恵泉女学園大が閉校…「消える大学」の3つのサイン 小倉優子さん入学の白百合女子大もどう見る?
大学側は「18歳人口の減少」を閉校理由の1つとして挙げているが……。
「少子化が始まったのは1990年代。しかし大学数は増加の一途をたどり、1990年には372校だった大学が2022年には620校と1・6倍になっています。それでも2000年以降で募集停止となった私立大学はわずか16校。もし18歳人口の減少が原因なら、もっと多くの大学が閉校になっているはずです」
少子化は閉校の本質的な原因ではない、ということ。それでも閉校理由に挙がるのは?
「堅調な大学が多数ある中で閉校に至るのは、経営などに何らかの問題点があるから。しかしそれを認めれば、学校法人幹部の責任問題に発展します。その点、少子化を理由とすれば、『仕方なかった』ということで穏便に済ますことができるでしょう」
では、ズバリ16校が閉校に至った理由は?
「主な理由としては『小規模校である』、『立地がよくない』、『入学定員の充足率が低い』。この3点が考えられます」
小規模校とは学部数が少ない大学のこと。
「閉校した16校すべてが1~2学部でした。選べる履修科目が少ない上に、学生数が少ないからサークルの種類も少なめ、と勉強面・学生生活ともに選択肢に限りが出てきます。美術系や栄養学系など専門性の高い学部ならそれでも人気がありますが、他大学でも学べる分野の場合、学生はより多くの選択肢がある大規模校を選びます」
赤字でも廃校にする必要がないケース
2点目が恵泉女学園大学でも理由として挙がった立地。
「立地は都市型と地方型に分類されます。都市型は他大学や専門学校との競合で負けるパターン。一方、地方型はそもそも大学の需要が少ないために、学生が集まりにくい」
その結果、生じるのが定員割れ。学生数÷定員数で割り出される充足率で見ていこう。
「入学定員の充足率は入学辞退者が出れば、100%を下回ることは往々にしてあります。ですから定員割れだけで閉校の危険性の有無は判断できません。ただし、学生数の減少が授業料収入の減少に直結するのも事実。私は入学定員充足率60%未満が、経営が危うくなる危険ラインと考えています。実際、16校のうち8校が60%未満でした」