育児で「つらい、助けて」と言えない人に伝えたい事 「すみません」でなく「ありがとう」の連鎖へ

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マンガに登場したなとみみわさんのコミックエッセイより。介護をテーマにした書籍も好評発売中。お姑さんは「ありがとう」を家族にもよく言う人だったそうです。マンガで紹介したエピソードを話すvoicyはこちらから聴けます(画像提供:なとみみわさん)

余裕のあるときに「ありがとう」で返していければ

誰かに助けを申し出てもらった場合、「すいません」より「ありがとう」の言葉で答えるほうが、社会に「やさしさの連鎖」を生む。それはマンガに書いたとおりですが、実際には「すいません」という言葉がクセになってしまっている、という人も多いのではないでしょうか?

以前、スーパーのエレベーターに息子と乗っていたとき、そこにベビーカーに赤ちゃんを乗せたママがいました。そのお子さんが軽くぐずっていたら「うるさくてすいません」とそのママは私にペコペコと謝ってきました。その様子から、普段から周りに迷惑をかけないように気にして、時には怒られたりしつつ、ずっと低姿勢で育児をしている彼女の生活を想像してしまいました。

それで私は「スーパーのエレベーターだし、子連れしかいないし、なんの問題もないですよ~。子どもは泣くものですし」と彼女に伝えました。なるべくさらっとしたトーンで言ったつもりです。だって本当に、なんにも迷惑をかけられてないし、謝るママの姿に、同じママとして、せつない気持ちになったからです。

なので、余裕のないときに「すいません」とつい口から出てしまうのは全然いいと思うのです。心の余裕のあるときだけ「ありがとう」で返していければ、少しずつ「やさしさの連鎖」が広がることもある、それくらいの話として読んでいただけるとうれしいです。

というわけで、今回のつかれないヒントは……

子連れの外移動、気を使いすぎてしまって、つかれる……

周りへの気遣い、いつもおつかれさまです!(涙)
でも、子どもが泣くのは全然悪いことじゃない。
泣き止ませる努力をしても泣き止まないことはある。
理解してくれたり助けてくれる人もたくさんいる。
あまり罪悪感は持ちすぎず、
助けを申し出てくれた人には「ありがとう」の言葉で返していこう。
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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