自家製キャビア開発、ホテルマンの凄まじい奮闘 輸入に頼る中で、国産の開発が急がれている
トリュフやフォアグラと並ぶ世界三大珍味のキャビア。チョウザメの卵を塩漬けにした保存食で、フランス料理をはじめとしたヨーロッパではもちろん、最近では高級日本料理にも使用されている。
日本でも高い人気を誇るキャビアだが、流通しているキャビアの90%以上は輸入品だ。輸入品は味付けと長期保存のために、塩分濃度をより高くして塩漬けされている。その塩分濃度は7%から10%程度。これでは濃度が高すぎるため、本来キャビアが持つ、ねっとりとした濃厚な魚卵の味わいなどが感じられない。
そんな中、日本国内でも良質なキャビアの生産が始まっている。先鞭をつけたのは宮崎県だ。1983年からチョウザメの養殖を始め、現在では「日本一のチョウザメ産地」と謳っている。
2013年には県内のジャパンキャビアが「宮崎キャビア1983」として商品化し、2017年には日本企業で初めて海外輸出もはたした。
珍しい「ホテル自家製のキャビア」
国産キャビアの生産が盛んになる中、また新たな国産キャビアが登場した。
それは、東武ホテルマネジメントが生産する「東武ホテル オリジナルキャビア」だ。ホテルがキャビアを生産するのは、国内でも極めてまれだ。
東武ホテルマネジメントは、フラッグシップである東武ホテルレバント東京などの10のホテルと、東武鉄道グループが運営する東京スカイツリーの天望デッキ内に位置する「スカイレストラン634」を擁する。
日本全国にホテルを展開する東武ホテルマネジメントが、なぜ自家製キャビアを生産するに至ったのだろうか。
キーパーソンとなるのが、東武ホテルマネジメントで代表取締役副社長を務める野口育男氏だ。
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