外国人が気がついた「日本の空き家」圧倒的な魅力 問い合わせが3年で5倍に増えた不動産業者も
「木造建築自体は多くの文化圏にありますが、大工の技術や材料の使い方、空間利用や演出の面で言えば、日本が世界を圧倒しています」と、回顧録『美しき日本の面影(Lost Japan)』などの著書があるカーさんは語る。「古民家では、自然環境の中でそれらすべてを安価に提供しています。コッツウォルズでは高価な木造の家も、日本では捨てられてしまうのです」。
しかし、彼は不動産会社が居住可能な古い家を買い取り、非日本人である高級バイヤーに販売するようになった状況に注目している。また、以前の空き家であった民家にAirbnbの宿泊施設を開設したり、民家に関するカンファレンスのようなイベントに参加したりする、若い国際的なバイヤーにも言及した。
東京から移住した人たちも
昨年、イギリス人ビデオグラファーのサム・キングさんと妻のサクライ・ナナミさんは、東京から西に50マイル(約80km)離れた大月の山中にある未公開の空き家を紹介してくれた建築家のサポートを受け、東京から脱出した。
「休みの日には自然に近いところにいたいと考えていました」と35歳のキングさんは語る。「都会では靴箱ほどのスペースの余裕もありません。家族で気ままにペットを飼うことができる、広いスペースを手に入れることは非常に魅力的でした」。
高齢者が多い過疎の地域にあるこの家は、持ち主が亡くなってからおよそ2年間放置されていた。価格は1200万円である。
梅やキウイの木々に囲まれた庭にあるこの家のコテージには、伝統的な畳、障子や襖、がっしりとした木製のキャビネット、床の間などがある。前オーナーは、富士山の絵、習字、古いテーププレーヤー、凧、ギター、スキー、食器など、個人の放物の多くを残していった。
この家は築約50年で、現代の水準に合わせて改修する必要がある。キングさんは、キッチンやバスルームの最初の改装に2万〜3万ドル(約270万〜約300万円)かかると見積もっている。それでも、都会から逃れるには十分な価値がある。
「私たちの家になるので、心ゆくまで改修したいと考えています。おそらくプロジェクトには合計で10万ドル(約1300万円)以上かかるでしょう。と彼は語る。「でも、それで最終的には夢のマイホームが手に入るのです」。
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