池上彰が斬る!「米大統領を決めるのは誰か」 高まり続けるヒスパニックの影響力

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テネシー州ナッシュビルのメキシコ料理店で注文をするオバマ大統領(写真:AP/アフロ)

前編:池上彰、「アメリカ銃社会」の病弊を斬る

大統領選挙にもヒスパニック票が影響

テキサスを見れば、アメリカがわかる。前回、そのように説明しました。この「ジ・アメリカ」とでもいうべきテキサスは、リオグランデ川を挟んでメキシコと接しています。その川幅はかなり狭いところもあるため、夜陰に乗じてメキシコからアメリカへ不法に入国することは、我々が考えるよりも簡単そうです。警備隊による監視で取り締まるには、限界があります。もしアメリカが不法移民を完全に防ぎたいのなら、イスラエルがパレスチナ自治区の周囲に巡らせているような塀を造る必要があるでしょう。

この移民問題は、来年のアメリカ大統領選挙に大きな影響を与えます。アメリカでは、ヒスパニックの有権者の人口が増えているからです。民主党と共和党、どちらが勝つかは、ヒスパニックの票が決めると言えます。 

前回の大統領選では、オバマ大統領がこの大票田を押さえました。ヒスパニックには貧困層が多く、彼らは大きな政府を望んでいるため、民主党を支持しているのです。また、ヒスパニックの有権者は、不法移民に対して温情的な政策を打ち出す政治家を支持する傾向にあります。

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