池上彰が斬る!「米大統領を決めるのは誰か」 高まり続けるヒスパニックの影響力
民主党人気に対抗するため、共和党は、ヒスパニックを自党の大統領候補にしようと画策しています。
すでに出馬を表明しているテキサス選出の上院議員、テッド・クルーズは、キューバ難民の息子であり、それをアピールしています。彼の有力対立候補であるマルコ・ルビオもまた、キューバ難民の息子です。
共和党の候補には、テキサス出身で、パパブッシュの息子、子ブッシュの弟であるジェブ・ブッシュという有力候補もいます。彼の奥さんはヒスパニックであり、彼自身もスペイン語ができるので、ヒスパニックの多い南部地域で、スペイン語で演説する能力には何の問題もありません。
ヒスパニック以外にも乱立する共和党の候補
一方で、共和党にはランド・ポールもいます。父親はロン・ポールというリバタリアンで、息子もまた、リバタリアンです。彼はキリスト教福音主義的に、中絶と同性婚の反対を徹底すれば、共和党内の戦いを勝ち抜くことはできるかもしれません。しかし、共和党の指名を受けて民主党の候補と戦うとなると、少し難しいでしょう。
共和党の使命を受けるには保守的な主張をするのが有利なのですが、その次の戦い、つまり、民主党との争いとなると、穏健なほうが有利なのです。この点、穏健派のジェブ・ブッシュは、共和党内の戦いに勝てさえすれば、本戦では比較的楽に戦えそうです。
共和党からは、民主党の有力候補であるヒラリー・クリントンに対抗するかのようにカーリー・フィオリーナも出馬を表明していますが、彼女は共和党内の戦いを勝ち抜くのが難しいと思います。
取り沙汰されているのは共和党の候補ばかりですが、リーマンショックからの経済立て直しもようやく進んできましたし、案外と民主党政権がこのまま長く続くのではないでしょうか。こうなると、日本の政権も米民主党内にしっかりと人脈をつくらなくてはなりません。これまで政権は共和党とばかり人脈を築いてきましたが、中国や韓国がアメリカ国内での存在感を高めている今、アメリカの政権と強いつながりをつくることは重要です。
そのアメリカを、安倍晋三総理大臣が4月下旬から訪問する予定です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら