「レヴォーグ」アクティブダンパーe-Tuneの醍醐味 電子制御ダンパーのアップデートによる違い

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レヴォーグSTI Sport R EX
テストで試乗したレヴォーグSTI Sport R EX(写真:SUBARU)

今回は、そのe-Tuneと、標準の電子制御ダンパー搭載車(以下、標準車)を同じ道、そして同じ速度で乗り比べることができた。グレードはいずれも2.4Lターボエンジンを搭載した「STI Sport R EX」(482万9000円)。試乗コースは、静岡県御殿場市をベースにe-Tuneの開発コースでもある箱根の市街地、芦ノ湖スカイラインなどで、終始、筆者ひとりで試乗を行った。

サスペンション
走行中のサスペンションの様子(写真:SUBARU)

搭載するZF社製の電子制御ダンパーは、車体の動きを秒間500回(2ミリ秒/0.002秒ごと)センシングして、システムが4つの車輪に取り付けられたダンパー(オイルの入った筒)の減衰力をきめ細かく調整する。減衰力調整に必要な加速度センサーは、前輪の左右と車体中央付近の合計3つ取り付けられ、このセンサー情報をもとに4つのダンパー調整を行っている。

たとえば路面の凹凸を通過すると、2つの前輪センサーで検知した衝撃は同時に車体中央センサーでも検知される。これらの情報はシステムに集約され演算、結果はすぐさまセンサーが付かない後輪ダンパーに伝えられ、4つのダンパーは最適な値で路面から衝撃や、上屋であるボディの動きを減衰する。

「3軸あれば車体の動きが検知でき、検知後の予測も可能です」と語るのは、SUBARU商品企画本部の主査である夘埜敏雄(うの としお)さんだ。ラゲッジルームに重い荷物を積み込むステーションワゴン特有の荷重変動対応や、後席での乗り心地向上要件も今回のアップデートには織り込んだという。

具体的なe-Tuneでの変更点

コンフォート
ドライブモードは、「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」の4つに加え、ドライバーが自由に組み合わせを選べる「インディビジュアル」が用意されている。こちらは「コンフォート」に設定した状態(写真:SUBARU)

e-Tuneへのアップデートにより、標準の電子制御ダンパーから次の2点が大きく変わった。

①電子制御ダンパーが調整できる減衰力の振れ幅を、標準車から硬め(≒スポーツ走行向き)方向と、柔らかめ(≒快適走行向き)方向、それぞれに拡大。
②その拡大した振れ幅を活かし、前後4本の減衰力調整をきめ細かく行うことで、車体の旋回能力を活かしつつ、路面の細かな凹凸に対しても、より柔軟に対応。

レヴォーグの電子制御ダンパーは、柔らかめの「コンフォート」から「ノーマル/スポーツ」、硬めの「スポーツ+」まで3段階の設定が用意され、コンフォート、ノーマル/スポーツ、スポーツ+は、その中心に位置する減衰力を意味する。要するにコンフォートは、1つの効果として、快適な乗り心地も、スポーティな走りも楽しめるが、快適な乗り心地寄りに減衰力を寄せているイメージだ。逆にスポーツ+ならスポーツ走行向きの方向に減衰力が寄っていると思ってもられえばいいだろう。

このうちe-Tuneでは、「コンフォート」と「スポーツ+」の減衰力特性(振れ幅と制御内容)を変更した。

次ページ具体的にどのように変わったのか、その違いを試乗で確かめる
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