「台湾パンダ」が安楽死、新たな受け入れ巡る論点 団団の体調不良時には中国の専門家が訪台

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台北市立動物園が2022年11月2日に記者会見を開くと、台湾だけでなく、中国、シンガポール、アメリカなどに本社がある計38社の報道関係者が集まった。団団の病状に加え、パンダを巡り中国と台湾が協力したことも関心を集めたとみられる。呉虹林さんと魏明さんは11月7日に中国へ戻った。

円宝は2023年1月3日に2歳6カ月で親離れした。写真は2022年11月24日(筆者撮影)

麻酔で眠らせて苦しみを終わらせる

団団の病状はその後、落ち着いていたが、11月17日の夜に急変し、発作が4回起きた。職員は抗てんかん薬を点滴で投与して症状をやわらげ、徹夜で見守った。CCRCGPの専門家にも連絡した。団団は11月18日の朝に目覚めた。起き上がって動き回ろうとしたが、後ろ足を自由に動かせなかった。

そして迎えた11月19日。団団は午前1時5分、1時56分、3時54分に発作を起こした。抗てんかん薬と鎮静薬を投与しても、発作は朝まで続いた。もはや薬で発作を抑えることは難しくなっていた。団団は食べることもできない。状態は悪化の一途をたどった。

パンダ館には団団のパネルが置かれ、死を悼む来館者がメッセージを書いて貼っていた。日本から送られた花も手向けられていた。2022年11月24日(筆者撮影)

そのため団団を麻酔で眠らせて、団団の苦しみを終わらせることにした。団団の心肺は11月19日、午後1時48分に停止した。台北市立動物園は病理解剖の結果、団団の死因が原発性脳腫瘍だったと12月19日に発表した。

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