3年ぶり開催「eスポーツの大会」で見えた課題 3万5000人の来場を記録、10万人が配信視聴

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3月31日~4月2日東京ビッグサイトで開催された、参加型eスポーツとしては最大クラスのイベント「EVO Japan」(筆者撮影)
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3月31日~4月2日東京ビッグサイトで、対戦格闘ゲームのeスポーツイベント「EVO Japan 2023」が3年ぶりに開催されました。3日間で延べ人数3万5000人の来場を記録し、日本語の動画配信のみで同時接続数が約10万人を記録するなど、イベントは大成功したといえるでしょう。しかし、PlayStation 4の設定ミスが疑われる操作遅延の発生や非効率な進行など、運営側の課題も浮き彫りとなりました。

誰でも無料で参加できる

EVO Japanは元々北米ラスベガスで開催されていた「EVOLUTION」の日本開催イベントで、今回が4回目。対戦格闘ゲームの『ストリートファイターV』や『鉄拳7』など、さまざまなタイトルが一堂に会する大会で、スポーツのオリンピックやXゲームズのような存在です。事前登録しておけば誰でも参加できるので、市民マラソン的でもあります。

無料で参加できるので、文句をいうべきではないと言う意見もあります。ただ、参加費が無料だからといって運営が無償でやっているわけではなく、スポンサーによる支援があり、観戦チケットも販売していることから明らかに興行性があり、視聴者や観客、ファンによる直接的、間接的な支援があって運営がなりたっているといえます。

課題のひとつとなったのが、3日目に『ストリートファイターV CE』の決勝トーナメントで起きたPunk選手のトラブルです。北米から来日し参加したプロゲーマーのPunk選手が、決勝トーナメントで使用されるモニターに遅延が発生していると抗議しました。運営側はその状況確認と原因解消のために手を尽くしますが、結局思ったような状態には戻らず、対戦相手のももち選手と席を交換することで了承し、試合が再開されました。

Punk選手の言い分としては決勝大会のみひとつのゲーム機から分配器により、選手それぞれのモニター、配信用のPCの3つに分配されることで遅延が発生するという主張でした。ただ、分配による遅延は考えにくく、そもそも予選でも同じ状況で行われていました。

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