文法では、間違えやすい部分をピックアップして何度も教科書に登場させたうえ、実践を繰り返す。ライティングでは、英語独特のロジカルな文章構造を教え込み、ひたすら書く。たとえば地球温暖化をテーマに、趣向を変えた3種類のイントロダクションを書かせる宿題が出たりする。さらにクリティカル・シンキングの訓練のため、死刑制度の可否や麻薬の法規制という難しい話題をテーマに毎日、議論をする。
授業の進度も早く、日本の学校なら数日間かけるような長文のエッセーを1日5本も読み解く。読むスピードも指定され、多読、速読の訓練となった。
クラスメートの大半は、幼少期から英語を学んできた中華系マレーシア人。そのほかに中東や韓国の出身者もおり、経歴はさまざま。日本からは、高校生がひとり来たのみで、あとは若松さん1人だった。
2週間経つと先生が何を言っているかがわかってきた。4カ月経った今では、だいぶ慣れ、スピードにもついていけるようになった。しかし、相変わらず深夜の勉強は続けている。
家族はマレーシアになじめた?
一緒に来た家族は現地の生活にすぐになじめたのか。
「熱帯の暑さであせもになりやすく、体調管理や安全に気をつかう。海外で何もないところから生活を始めるのは、やはり大変でした」
現在2歳の長男は現地の保育所に通っていたこともあり、中国語、英語の言葉が出てくるようになった。将来的には現地の教育を受けさせるつもりだ。大きくなってからどこでどのように学ぶかは、本人に決めさせたいと考えている。
来年2月までにはオーストラリアに渡りたいという。「多様な言語と文化が共存するマレーシアでの生活はとても貴重でした。そして、次に行く移民国家であるオーストラリアが、どうやって外国人を受け入れて、社会の変化を体験したのか。長年日本に住む難民を取材してきた立場から、研究することができたら」と結んでくれた。
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