いちい信用金庫に16台「おもしろ自販機」の正体 「岐阜タンメンのにんにく餃子」ほか約200点
もともと銀行として使っていた建物であれば、信用金庫にとっては居抜き物件のようなもの。建物を壊して更地から店を建てるよりも格段にコストが安くなることもあり、いちい信用金庫は三菱UFJ銀行の申し出を承諾し、尾西支店開設を決めた。
三菱UFJ銀行尾西支店には、入口近くに8台のATMが設置された70平方メートルの広いスペースがあった。尾西支店の開設にあたり、その有効活用について話し合われた。
「尾西支店に足を運ばれるお客様に喜んでいただくにはどうすればよいのか、様々なアイデアが出ました。例えば、喫茶コーナーを設置してはどうかという案も出ましたね」(白瀧さん)
他には病院とタイアップした健康相談コーナーや、取引先の店や企業の商品を販売するアンテナショップを出店するという案もあったという。
ネットが使えない高齢者も気軽に購入できる
「どの案も人手が必要となり、人手不足の中小・零細企業にとっては負担が大きいのではないかと考えました。そこで当金庫の川口敏男理事長から、『自販機を置いてみてはどうか』というアイデアが出されました。自販機であれば、人手は要らないですし、取引先の売り上げ支援にもなりますからね」(白瀧さん)
いちい信用金庫の取引先に自販機を扱う会社があったため、話をもちかけ、いちい信用金庫が場所を提供し、自販機業者が運営を担う形で営業することに。昨年12月12日の尾西支店オープンに合わせて商品を揃えることとなり、販売対象となったのは、いちい信用金庫の営業エリア内にある取引先。その中から自販機向けの商品がありそうな店や自動販売機に興味がある企業を絞り込み、営業店の職員が出店を呼びかけた。
「それがかなり大変な作業で、2カ月くらいかかりました。自販機で売れそうと思っても、サイズが大きすぎて自販機に入らず、パッケージの端を折り曲げて、小さくした商品もありました」(白瀧さん)
中には新しい商品を作ったものの、ネット販売以外の販路がなくて困っていたところに自販機での出店の話があって、大変喜ばれたということも。自販機であればネットが使えない高齢者も気軽に購入できるのも大きなメリットだろう。
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