いちい信用金庫に16台「おもしろ自販機」の正体 「岐阜タンメンのにんにく餃子」ほか約200点
いちい信用金庫は、この自販機コーナーを「おもしろ自販機スーパー」と名付け、買い物かごやカートも用意した。営業時間は平日が8時45分〜19時、土・日・祝は9時〜19時。出店する企業は70社前後で、食料品のみならず文房具や衣類、日用雑貨など多岐にわたり、全部で約200アイテムにものぼるという。価格も100円台から5000円台までと幅広く、商品を眺めているだけで楽しい。実際、この日、尾西支店を訪れた客の大半はおもしろ自販機スーパーに立ち寄り、買い物を楽しんでいた。
「売り切れになってしまうのは、一宮市内にある養鶏場から届く生みたての卵です。1パック300円で販売されています。変わったところでは、婦人用のセーターですね。メーカー希望小売価格5500円が3000円で購入できます。当金庫の本店がある一宮市は昔から繊維業が盛んなので、衣料品も人気ですね」(白瀧さん)
16台ある自販機のうち、約半分は冷凍食品。カルビや塩タン、ホルモンなど焼肉の材料や、参鶏湯やタッカンマリ、キンパなどの韓国料理、ラーメン、和洋スイーツと、かなりの品揃え。昼食や夕食のおかずに買っていく客も多いという。
いちばんの人気商品は地元チェーンの餃子
特筆すべきは街中に設置された自販機でもよく見かける冷凍餃子。全部で7種類もあり、個数や価格、こだわりのポイントはさまざま。中でも一宮市に本社があり、東海地方を中心にチェーン展開している「岐阜タンメン」のにんにく餃子がいちばんの人気商品とか。
岐阜タンメンのにんにく餃子といえば、直営の無人販売所の他、岐阜県内のスーパーの一部でしか購入することができないことと、やはり地元におけるネームバリューの高さだろう。「岐阜タンメン」を運営する岐阜タンメンBBCに話を聞いてみた。
「昨年、いちい信用金庫一宮支店様から『地域の店や企業の活性化のために協力してほしい』と、自販機への出店依頼をいただきました。弊社も無人の物品販売に可能性を感じていたので快諾しました。にんにく餃子は、店舗で提供している餃子をベースに、にんにくを約3倍に増量しています。パンチのきいた味わいが好評で、おもしろ自販機スーパーでは月に40袋ほど売れています」(岐阜タンメンBBC・広報)とか。
自販機の商品は定期的に入れ替えるそうだが、エリアごとの名物や特産品を一堂に集めて自販機による物産展を開催したり、特定の商品、例えば餃子の自販機だけを集めたイベントを開催したりとアイデアはどんどん広がる。また、出店している店や企業がコラボで新たな商品が生まれる可能性もあるだろう。
「実際のスーパーとは違って、自販機は商品を手にとって見ることができません。そこでラックを設置してチラシやサンプルを置いていますが、まだまだ改善の余地はあると思っています。おもしろ自販機スーパーは手探りの中ではじめたばかりですが、今後も取引先の販路拡大に尽力してまいりたいと思っています」(白瀧さん)
取引先、ひいては地域の活性化のために頑張ってほしいと願うばかりである。
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