松たか子、舞台より『ロンバケ』選んだ18歳の選択 「今となっては、ああ、それでよかったのかな」

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── 4月14日からは、コロナで中断されていた松本白鸚さんの主演舞台『ラ・マンチャの男』のファイナル公演が再開します。松さんが約10年ぶりに参加され、親子共演が見られることでも注目されています。

:私はこれまで、再演を重ねた経験自体がそれほど多くないんです。そんな中で「ラ・マンチャ」は、私にとても多くの経験をさせてくれた作品です。それに、同じ役でも同じようにやるんじゃなくて、やっぱり毎回違う。同じことをやるように見えて、毎回新しいことに挑戦できる、舞台って不思議な世界だなと思います。

今回がいちばんよくなるように、精一杯をぶつける

── 公演再開に向けて、お父様と何か話したりしていますか。

:いえ、とくに話してはいないです。父は年齢も年齢ですし、身体的なケアなど、いろんなことを心配する必要はあるんですけど、そうやって心配をしていて、今まで何度となく(手を前に伸ばす身振りで)「お~い!(待ってくれ~)」って置いていかれたことがあるので(笑)。

それよりも今は自分の心配をして、とにかく今回がいちばんよくなるように、自分の精一杯をぶつけたいと思っています。

── 最後に、松さんが思うカッコいい大人像について伺えますか?

松:どうでしょうね……正しくて完璧な人はカッコいいのかもしれないけど、私は、それだけじゃない隙やユーモアがあるチャーミングな部分を持っている人に惹かれてしまうし、自分もそうありたいなと思うんです。誰に対しても、ユーモアを忘れずに接することができる人が私はカッコいいと思いますね。

(写真:トヨダリョウ) 
松たか子
1977年6月10日生まれ。東京都出身。1993年歌舞伎座「人情噺文七元結」で初舞台。 翌1994年大河ドラマ「花の乱」で初テレビ出演後、「ロングバケーション」(1996)「ラブジェネレーション」(1997)「HERO」(2001) などヒットドラマに多数出演。近年も「カルテット」(2017)「大豆田とわ子と三人の元夫」(2021)などが話題に。その他代表作に映画『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』『告白』『夢売るふたり』、舞台『ハムレット 』『天涯の花』『ラ・マンチャの男 』『モーツァルト!』『ミス・サイゴン』など多数。 歌手としての実力も評価され、アニメの吹き替えをした『アナと雪の女王』も大ヒット。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞や読売演劇大賞・最優秀女優賞等を受賞。
松尾スズキと30分強の女優 松たか子の乱
大人計画主宰、シアターコクーンの芸術監督、コントの名手・松尾スズキが毎回1人の女優とがっぷり4つに組んで繰り広げる至極のWOWOWオリジナルコントドラマ! 子どもの頃お母さんに顔で叱られた経験は誰にでもあるはず。そんな体験をマダムK(松たか子)が提供する倶楽部に湯浅(松尾スズキ)が友達の紹介で訪れる。「顔だけ倶楽部」/100年後を舞台にしたSF「スニーキー狩り」シリーズの前日譚。バルマン(松尾スズキ)が傷を負いながらたどり着いた辺境の地で何が起きるのか。「スニーキー・ビギニング『傷』」ほか。
3月25日(土)21:30~ WOWOWにて放送・配信/4月9日(日)21:00より再放送
HP/松尾スズキと30分強の女優

文/浜野雪江 スタイリング/梅山弘子(KiKi inc.) ヘアメイク/須賀元子 編集/森本 泉(LEON.JP)

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