松たか子、舞台より『ロンバケ』選んだ18歳の選択 「今となっては、ああ、それでよかったのかな」
歌舞伎界の名家に生まれ、16歳で初舞台を踏んだのち、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(1996)への出演で一躍注目を集めたのが19歳のとき。以降、数々のドラマや舞台に出演を続け、日本を代表する女優の1人となった松たか子さん。
今も、清廉で飾るところがなく、ありのままの自分で作品に挑み続ける彼女が、4月9日(日)午後9:00より、WOWOWで放送(※再放送)される、松尾スズキさん作・演出のコントドラマ「松尾スズキと30分強の女優」に出演します。コントは初めてという松さんに、挑戦した理由や撮影の舞台裏、そして、デビュー30周年を迎える心境などを伺いました。
「絶対できないから」と言ってずっと逃げていた
── 「松尾スズキと30分強の女優」は、松尾さんが毎回1人の女優さんと組んでコントを繰り広げるオムニバスコントドラマの第3弾です。“コントと松さん”というのは意外な組み合わせのように思えますが、やろうと思われたのはなぜですか?
松たか子さん(以下、松):実は前々からお話はいただいていたものの、「絶対できないから無理です」と言ってずっと逃げていたんです。「ホントに私、面白いことはできないし、面白くもないし、無理です。ほかのことを頑張るので、勘弁してください!」って(笑)。それで松尾さんにも納得していただけていたと思っていたんですけどね……違ったんだな、と思って。
── というのは?
松:2019年の舞台「世界は一人」では共演者として、2021年の「パ・ラパパンパン」では演出家としての松尾さんとご一緒して、私の器用じゃないところも含め、松尾さんの前ではもう何も取り繕うものがない、全部見られているなと感じまして。そのうえでまたオファーをいただいて、今回は、もうやらない理由が見つからなくて(笑)、これはやってみるしかないって思い切りました。