GMは、積極的に道路建設のロビー活動も行った。その結果、1956年には6万6000キロメートルの道路建設を計画した、連邦補助高速道路法が成立し、同時に道路信託基金も創設された。このプロジェクトが、その後のアメリカ自動車産業の隆盛に果たした役割は大きい。
グーグルが築いたプラットフォーム
一方、グーグルは、スマートフォンOSや検索や地図、それに動画で多面市場のプラットフォームを築き、その上を走る膨大なデータの収集に成功した。
このプラットフォームの料金所は初めから無人で決済はキャッシュレス、データの走行速度にスピード制限はなく、これからさらに高速になる計画だ。交通量が増えることは顧客である広告主に歓迎される。自動車のように新たな生産工場を建設する必要もない。
そしてグーグルは、自動運転車で本物の道路に姿を現わし、リビングルームにはAIを搭載したグーグルスピーカーやネストなど家電製品が登場した。
この新たな試みは、日本の自動車や電機など、モノづくり企業をも隅に追いやるのか、それとも、モノづくり企業がホームグラウンドでグーグルの挑戦を退けることができるのか。戦いは始まったばかりである。
グーグルと自動車や電機メーカーの間で新たな結合が起きることも考えられる。
GMは、アメリカ自動車市場で強固な寡占体制を形成したが、道路は所有していなかった。そのためトヨタやホンダの乗用車が米国のハイウェイを走り始めるのを止めることはできず、日本車による外からの攻勢が、アメリカ市場の寡占に風穴を空けることになった。
では、プラットフォームとその上を走るデータの両方を保有するグーグルに対抗して、寡占に風穴をあける者は現れるのか。
利便性と寡占のトレードオフの上に成り立つ現在の状況はいずれ新たな企業家による新結合で打破され、シュンペーターの説く資本主義経済の発展が実現することになる。企業経営における買収の大きな役割がここにある。
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