未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持つ、アフリカ・ギニアの「シマンドゥ鉱山」。その開発にあたって最大の懸案となっていた、(鉱石を運ぶための)鉄道や港湾などのインフラ施設の建設がいよいよ始動する。
3月13日、ギニア大統領の公式SNSアカウントは、シマンドゥ鉱山の開発にあたる企業コンソーシアムとギニア政府が、インフラ建設を担う事業会社の(運営に関する)株主間協定書に3月8日付で署名したと明らかにした。
ギニア政府の説明によれば、これをもってシマンドゥ鉱山の(ギニア政府と企業コンソーシアムによる)共同開発が正式に動き出した。今後は開発資金が速やかに手当てされ、あらゆる工程がスピードアップするという。なお、ギニア政府は鉱山開発とインフラ建設に必要な資金調達額を150億~200億ドル(約2兆247億~2兆6996億円)と見積もっている。
シマンドゥ鉱山はギニア南東部の内陸に位置し、鉱石の鉄含有率は平均65.5%に上る。本格採掘が始まれば、年間1億2000万トンの鉄鉱石を産出できる見込みだ。
同鉱山の探査は20年以上前に始まり、そのポテンシャルは無数の“山師”たちを魅了してきた。しかし(先行投資の大きさや政情不安などが障害となり)、2019年の入札で北部鉱区の採掘権をウィニング・コンソーシアム(WCS)が獲得するまで、本格開発の機運は高まらなかった。
中国資本が積極的に関与
その後の進捗も山あり谷ありだった。シマンドゥ鉱山の商用生産を実現するには、内陸部の鉱山からギニア湾岸の積出港まで鉱石を運ぶ全長650キロメートルの鉄道と、輸送船に鉱石を積み替える港湾施設の建設が欠かせない。その費用を誰がどれだけ負担するのか、企業コンソーシアムとギニア政府の間で駆け引きが続いたからだ。
そんななか、開発の早期始動に向けて積極的に関与したのが中国資本だ。シマンドゥ鉄鉱山は4つの鉱区に分けられており、南部の第3鉱区と第4鉱区の採掘権は、英豪資源大手のリオティントと中国の国有アルミ大手の中国鋁業集団(チャイナルコ)を中心とする合弁会社が保有している。
一方、北部の第1鉱区と第2鉱区の採掘権を握るWCSを主導するのは、中国・山東省の出身者が創業したシンガポールの海運コングロマリットのウィニング・インターナショナルと、中国の民営アルミ大手の中国宏橋集団のグループ企業だ。
さらに2022年9月には、中国の国有鉄鋼最大手の中国宝武鋼鉄集団が、北部鉱区の開発に(自社が主導する企業コンソーシアムを組んで)参画すると発表した。
(財新記者:羅国平、李蓉茜)
※原文の配信は3月14日
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