未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模と品位を持つ、アフリカ・ギニアの「シマンドゥ鉱山」。その本格開発に向けた重要なステップが実現した。鉱石の積み出しに不可欠な鉄道や港湾などのインフラ整備に関して、企業コンソーシアムとギニア政府が合意に至ったのだ。
中国の鉄鋼最大手の中国宝武鋼鉄集団(宝武鋼鉄)は2022年12月24日、シマンドゥ鉱山の主要ステークホルダーである宝武鋼鉄、ウィニング・コンソーシアム(WCS)、シムファー、ギニア政府の4者が、12月22日にギニアの首都コナクリで、インフラ建設の共同投資に関する協議書に署名したと明らかにした。
「この合意はマイルストーンとしての意義を持つ。シマンドゥ鉱山の本格開発に向け、しっかりした基礎が築かれた」。宝武鋼鉄はSNSの公式アカウントを通じた発表の中でそうコメントした。協議書の中には、インフラ建設の共同投資の枠組みや、建設の進め方などの条件が盛り込まれているという。
シマンドゥ鉄鉱山はギニア南東部の内陸にあり、商用生産が始まれば高品位の鉄鉱石を年間1億2000万トン産出できると見込まれている。開発は4つの鉱区に分けて進められ、北部の第1鉱区と第2鉱区の採掘権をWCSが、南部の第3鉱区と第4鉱区をシムファーが保有する。
開発加速のカギ握る中国資本
シマンドゥ鉱山の開発コストは総額150億ドル(約1兆9920億円)に上ると試算されている。中でも先行投資の負担が大きいのが、鉱石をギニア沿海部の積み出し港まで運ぶ全長650キロメートルの鉄道の建設と、沿海部のフォレカリア州で予定されている港湾施設の整備だ。
中国資本はその推進のカギを握っている。北部鉱区のウィニング・コンソーシアムには、筆頭株主であるシンガポールの海運コングロマリットのウィニング・インターナショナル・グループ(出資比率45%)に続いて、中国の民営アルミ大手、中国宏橋集団の傘下企業が35%を出資している。
南部鉱区を主導するシムファーには、英豪資源大手のリオティント(出資比率53%)とともに、国有アルミ大手の中国鋁業集団(チャイナルコ)の子会社が47%を出資する。
宝武鋼鉄も自社が主導する企業コンソーシアムを結成し、北部鉱区に投資する計画だ。同社は今回の合意をテコに、すべてのステークホルダーと協力してシマンドゥ鉱山の開発を加速させるとしている。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は2022年12月25日
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