中国が鉄鉱石の安定調達目指す「基盤計画」策定 輸入依存度引き下げへ国内鉱山の開発拡大

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中国は国内の鉄鉱山の開発を拡大し、鉄鉱石の輸入依存度の引き下げを目指す。写真は遼寧省鞍山市の鉄鉱山(国有製鉄大手の鞍鋼集団のウェブサイトより)

中国の鉄鋼業界では、原料の鉄鉱石の輸入依存度が8割に近づいている。ここ数年、鉄鉱石の国際相場の高止まりが続き、原料の安定供給確保や中国国内の鉱山開発をいかに推進するかが業界全体の課題になっている。

そんななか、中国のマクロ経済を統括する国家発展改革委員会は5月30日、業界団体の中国鋼鉄工業協会が提出した資源調達強化のための「基盤計画」を承認したと発表した。その目論見は、今後5~15年をかけて鉄鉱石の調達ルートを見直し、輸入依存度を引き下げることだ。

中国は鉄鉱石の世界最大の輸入国であり、2021年の輸入量は11億2000万トン、輸入依存度は76%に達した。また、同年の鉄鉱石の輸入価格は1トン当たり平均164ドル(約2万1254円)と、前年比55%も値上がりした。鉄鉱石の国際相場はボラティリティが大きく、中国の鉄鋼業界にとって頭痛の種になっている。

国内での探鉱は10年近くストップ

そこで「基盤計画」では、主に3つの方法で鉄資源の安定調達を目指している。第1に国内の鉄鉱山の開発拡大、第2に海外鉱山の(買収を通じた)権益確保の加速、第3に鉄スクラップの回収と利用の促進だ。

具体的には、2025年の中国国内での鉄鉱石採掘量を2020年比で1億トン増しの3億7000万トンに、海外鉱山からの調達権益を同1億トン増しの2億2000万トンに、鉄スクラップの消費量を同7000万トン増の3億トンに、それぞれ引き上げる目標を掲げた。

だが、その達成は容易ではない。「ここ10年近く、国内の新たな鉄鉱山の探鉱や新規開発への投資はほとんど止まっている」。鉄鉱山開発の実態に詳しい関係者は、財新記者の取材に対してそう証言した。

本記事は「財新」の提供記事です

中国冶金鉱山企業協会のデータによれば、第13次5カ年計画(2016~2020年)の期間中に新たに積み増された中国国内の鉄鉱石の資源量は8億5500万トンにとどまった。その前の第12次5カ年計画(2011~2015年)の期間中と比較すると、94%もの大幅減となっている。

(財新記者:趙煊、羅国平)
※原文の配信は6月2日

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