中国資本が深く関与しているアフリカ・ギニアの巨大鉄山、シマンドゥ鉱山の開発が足踏みを余儀なくされている。7月5日、同国政府が現地での建設工事を強制的に停止させたことが、ギニア大統領の公式SNSアカウントの発表で明らかになった。
ギニア政府の説明によれば、プロジェクトの一時中断を命じた理由は、シマンドゥ鉱山の開発を請け負う企業コンソーシアムが所定の期限までに(事業主体となる)合弁会社の設立条件に合意しなかったことにある。ギニア政府は過去数回にわたって期限の延長に応じたが、それでも合意に至らなかったため、やむなく工事停止命令を出したとしている。
だが事情に詳しい関係者によれば、企業側は合弁会社設立に関する書類をすでに提出しており、ギニア政府からの回答を待っている段階だという。この関係者は、ギニア政府がシマンドゥ鉱山の開発から現金収入などの実利をより多く得たいと欲しており、「工事停止命令という実力行使を通じて、企業側に妥協するよう圧力をかけている」との見方を示した。
開発の進捗にギニア政府が不満か
プロジェクトの一時中断は、実はこれが2回目だ。1回目は3月10日、鉱山開発の進捗状況に不満を抱いたギニア政府が工事停止を命じた。政府はその際、(内陸部の鉱山と沿海部の港湾を結ぶ)鉄道の建設を含めてプロジェクトの推進をもっと急ぐよう、企業側に迫ったという。
シマンドゥ鉱山は、未開発の鉄山としては世界最大級。鉱石の鉄含有率は平均65.5%に上り、(優良な鉄山が集中する)オーストラリアの水準を上回る。鉄鉱石の推定埋蔵量は約100億トン、採掘開始後の年間産出量は1億~1億5000万トンに達すると見込まれ、実現すれば世界の鉄鉱石市場を左右する存在になるのが確実だ。
同鉱山は4つの鉱区に分けて開発が進められている。そのうち第1鉱区と第2鉱区はシンガポールの海運コングロマリットのウィニング・インターナショナル・グループ、中国の民営アルミ大手の中国宏橋集団などが組成したコンソーシアムが採掘権益の85%を保有する。
第3鉱区と第4鉱区は、英豪資源大手のリオティントと中国の国有アルミ大手の中国鋁業集団(チャイナルコ)が採掘権を取得。両社の権益はリオティントが全体の45.05%、中国鋁業集団が同39.95%となっている。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は7月5日
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