分身ロボット働くカフェが体現する「障害と社会」 日本橋で外出困難者が接客、客の大半は外国人
まず迎えてくれるのは、高さ約120cmで人型をしている「OriHime-D」。カメラやマイク、スピーカーが搭載されており、パイロットが遠隔操作して客の予約を確認、案内等を行う。
なお同じタイプの分身ロボットは店内を動き回り、接客や水を運ぶ仕事も行っている。
そして接客席では、より小型でテーブルに載せられる「OriHime」が相手をしてくれる。予約を入れた時間になると、遠隔にいるパイロットがスタンバイしたサインとして、OriHimeの目のランプが点灯。ロボットのそばに設置されたタブレットに、担当パイロットのプロフィールが映し出される。
難病を10年前に発症、外出が困難に
今回の担当はオープン時から働いているという「ちふゆ」さん。原因不明の難病である慢性疲労症候群を10年前に発症、仕事はもちろん、外出自体が困難になった。病気について情報を集める中で、難病を抱える人々のSNSからDAWNのクラウドファンディングやときどき開催されていた期間限定カフェを知ったのがきっかけで、パイロットとして働くようになったという。
まず、カフェの利用の仕方やメニューの説明をしてくれる。はきはきとした口調で、人気のメニューなども教えてくれた。明るく感じがよい接客だ。
接客席は最大80分間利用でき、スイーツか料理をワンオーダーするのが条件となっている。料理は2000円以上、スイーツも1700円以上。「お飲み物はいかがですか?」と勧められると断るのも気が引けるので、やっぱり頼むと結構な値段になる。
ただ、東京都の最低賃金を確保しているというパイロットの給与や、ロボットを含めた店内設備の維持コストも合わせるとそれなりの価格になってしまうのは仕方ないのかもしれない。
オーダーを済ませると、自由なおしゃべりの始まりだ。
分身ロボットカフェで働いての感想や、やり甲斐、経済状態などについても聞いた。
パイロットのちふゆさんの患う慢性疲労症候群とは、激しい倦怠感や疲労感、微熱、頭痛、うつ状態などが長期にわたって続く病気。しかし原因も治療法も不明で、医師でさえ知らないことがあるぐらい珍しい病気のため、誤解を受けやすい。以前は障害年金の認定も難しかったようだ。
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