「365」は2010年から展開し、現在251品目に上るが、消費者の選択肢を重視し、「PBの売り上げは全体売り上げの10%程度が適正」(加納部長)との方針から、商品を加速度的に増やすことはしていない。そんな中、アイスの開発に着手したのは、やはりニーズが大きいからだ。
富士経済マーケティング便覧(2013年)によれば、アイスクリーム類の市場は伸び続けており、特に2011年以降は、高級アイスが飛躍的な伸長を見せているという。同社は、今後もこの傾向が続くと考え、女性をターゲットにした高品質なアイスの開発に乗り出したのである。思惑通り、女性にヒットした。
さっぱり感&低カロリーで女性の心をわしづかみ
当初はもう少し若い層を想定していたそうだが、主な購買層は40~60歳までの女性だ。その理由は、試食に付き合ってくれた購買層世代の母(61歳)のコメントから見えてくる。
「さっぱりしていて飽きない味だね。しかも、アイスは太るのが心配だけど、これは低カロリーでいいね」。
そう。まず、食べやすいのだ。このすっきりとした味わいが、胃に負担のかかりそうなものを敬遠しがちな年配層から支持を得ているのだろう。高級アイスは量が少な目であるのが一般的で、「プレモ」も122mlだが、女性の胃袋にちょうどよい量ではないかと思う。
かつ、さっぱりしているのに素材の味を堪能できるのでつい後をひく。実際、素材にはこだわっているといい、例えば定番でいうと、「バニラ」は北海道産牛乳、「チョコ」はベルギー産チョコレート、「イチゴ」は静岡県産イチゴの紅ほっぺ、「抹茶」は京都産宇治抹茶を使用している。
筆者と母はチョコが好みだが、バニラ、抹茶、チョコ、イチゴの順に人気があるという。また、141~172kcl(定番品)と、カロリーも低めに仕上げているので、体重が気になる人でも手にとりやすいのではないだろうか。
「女性には逆らわない」
これが当初からの揺るがないコンセプトだという。女性に支持されるワケは、徹底した女性本位の姿勢にある。
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