ポロじゃない?VWのEV「ID.2 all」が映す未来 実車に接してわかった、BEVを使った生き残り戦略

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私が思うに、これらが意味するのはVWが、BEV(バッテリー駆動のEV)において、あたらしい戦略を採り始めているということではないだろうか。

これまではID.シリーズを、ガソリン車と並行してラインナップしてきた感があるけれど、ここにきて、ゴルフやポロの明確な代替車として、ID.2 allを開発することにしたのではないか。

従来のモデル名は整理へ

「このクルマが次世代のポロに置き換わるのか?」という質問に、シェーファーCEOは明確に答えてくれなかったが、「従来のモデル名の整理は行われるでしょう」と言った。

モデル名つまりモデルそのもの、と考えることもできる。「アイコニックな名前は消しません」というCEOの言葉がどのモデルを指すか明確ではないけれど、あたらしい胎動を感じたのは事実。

「6週間でスタイリングを開発した」(ミント氏)というのも、報道されてきた欧州委員会の規制強化の動きが前提だったのでは、とけっこう容易に推測できる。

現時点では「showcar」とされるコンセプトモデルだが、発売は2025年と発表されている。「(エクステリアの)完成度は90パーセント以上」なるミント氏の発言もあって、期待がもてる。

いまのVWのピュアEVというと、日本でもID.4が発売され、「ローンチエディション」は即完売したそうだ。欧州では、ID.シリーズのラインナップは豊富だ。

さきごろマイナーチェンジを受けた「ID.3」をはじめ、「ID.4 GTX」「ID.5」「ID.5  GTX」、それにかつてのマイクロバスをイメージした「ID.BUZZ」(アイディーバズ)と展開中。

220kWの最高出力と450Nmのトルクを持ついっぽう、巡航距離は500キロとされているID.4 GTX(写真:Wolfgang Grube)

私も今回、ID.2 allが発表されたハンブルクまで、ベルリンから300キロ超を、ツインモーターのID.4 GTXと、キュートなルックスのID.BUZZをドライブするチャンスを得た。

ID.4 GTXは、日本ではリアモーター/後輪駆動が販売されているID.4の高性能バージョン。前後にモーターを搭載した4輪駆動で、220kWの出力と460Nmのトルクを誇る。

ID.4 GTXのシンプルだけれど快適性の高いインテリア(写真:Wolfgang Grube)
ハンブルクの繁華街のレーパーバーンを背景に(写真:Wolfgang Grube)
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