ポロじゃない?VWのEV「ID.2 all」が映す未来 実車に接してわかった、BEVを使った生き残り戦略

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ハンブルクを舞台にしたジャーナリストむけ発表会で登場したID.2 all(写真:Volkswagen AG)
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欧州委員会では、2035年から、排ガスを出す新車の販売を禁止する法制を現在検討中。そこで、自動車メーカーはどうする? フォルクスワーゲン(VW)の最新の動きをみるととても興味深い。

日本にもピュアEVの「ID.4」を導入して、初期ロットはあっというまに売約済みになったVW。欧州での、ピュアEVへの力の入れ方は、日本から見ているだけでは想像しにくいほどだ。

私は、2023年3月中旬に、ドイツで、VWのEVをめぐる戦略(のおそらく一部)を垣間見る機会を得た。これがおもしろい。

ひとつは、「ID.2 all」(アイディツーオール)と名づけられた新型車の発表会。それから、日本で販売される最新のEVの試乗。そして、欧米で進める公共交通のプロジェクトの体験。

EVを軸にした企業戦略に本腰のVW

VWは(VWも)、本腰を入れて、EVを軸にした企業戦略を実行に移しているようだ。

2023年3月15日に、VW本社は、ハンブルクでID.2 allをお披露目した。比較的コンパクトなスタイルに、モーターをフロントに搭載した前輪駆動という新しいレイアウトを採用している。

スタイリングは、これまでのID.シリーズより、はるかに従来のVWのハッチバックに近い。それが実車を見た私には印象的だった。

VWの主要メンバー:右からトマス・シェーファーCEO、 ブランドセールス/マーケティング/アフターセールス担当取締役のイメルダ・ラベー氏、ヘッドオブデザインのアンドレアス・ミント氏、ブランド技術開発担当取締役のカイ・ グリューニッツ氏(写真:Volkswagen AG)

VWは、1974年にシロッコ、そして同年にゴルフとハッチバックを登場させ、とりわけゴルフを大ヒットさせた。その伝統に忠実に開発した、と会場でトマス・シェーファーCEOは語った。

なるほど、ID.2 allは、何も言わずにショールームに並べられたら、「これって新型ポロ?」と思われるぐらい、違和感がない。VW車のヘリティッジを守りつつ、新しい時代に適合したスタイルを持つ。

「likeble face(好きになってもらえるフロントマスク)」とデザイン統括のミント氏は表現(写真:Volkswagen AG)
ボディは面の張りが強いうえに、個性的なキャラクターラインと、20インチのロードホイールを収めるスポーティなフェンダーなどが目をひく(写真:Volkswagen AG)
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