マック「てりたま」一部休止の発表から見える苦心 卵不足で代替商品を提案、回りくどい表現の背景

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今年は定番の「てりたま」と、とろけるチェダーチーズと相性抜群の「チーズてりたま」に加え、爽やかな瀬戸内産レモンが香るタルタルがやみつきになる新商品「瀬戸内レモンタルタルベーコンてりたま」の3種類のバーガーをご用意しました。

定番の「てりたま」に加え、例年どおり新商品も投入している。さらに、このプレスリリースでは、広告展開についても言及されている。

「てりたま」シリーズの発売に合わせ、吉岡里帆さんが初出演する新TVCMを3月7日(火)から放映します。(中略)Twitterキャンペーンなど「てりたま」の季節を彩る施策もご用意しておりますので、あわせてお楽しみください。

このように春の「てりたま」は商品展開、そして広告に、マクドナルドはそうとう、力を入れていることがわかる。

異質だった「一部販売休止」のリリース

だが、そんな気合の入った「てりたま」販売開始のプレスリリースから、わずか2週間後。一転して卵不足によって、「一部での販売休止」を知らせるプレスリリースを出すことになる。しかし、このプレスリリースが「特異」なのだ。

ほかの外食産業も同様に、卵を使用した商品の販売停止を発表している。だが、それらと比べても、かなり「異質」だ。具体的には、以下の2点が他者と大きく異なるのだ。

1)代替商品を提案していること

2)妙に回りくどい表現になっていること

1つ目の「代替商品の提案」について、述べていきたい。マクドナルドの「一部販売休止」プレスリリースを見ると、以下の記述が目を引く。

このたびの日本国内における鳥インフルエンザ流行の影響により、たまごの供給が不安定になっております。
(中略)
これを受けて、3月15日(水)よりてりやきの味わいをお楽しみいただける期間限定商品として「チーズチーズてりやきマックバーガー」を4月中旬(予定)まで全国のマクドナルド店舗にて販売いたします。
てりたまの一部販売休止より、代替商品に関する記述のほうが多い(出所:マクドナルド公式サイト)

「ガスト」や「バーミヤン」を展開する「すかいらーくホールディングス」、ファミリーレストラン「ジョイフル」、オムライス専門のチェーン店「ポムの樹」を運営する「ポムフード」なども同様に卵を用いた商品の販売休止をプレスリリースで発表している。だが、代替商品を提案しているものは皆無だ。

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