WBCと侍ジャパンがここまで盛り上がる5つの理由 大谷翔平の凄さだけじゃない熱狂の背景

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スポーツ界でもNPBやJリーグなどの声出し応援が再開したばかりであり、ようやくファンたちが思う存分応援できるようになりました。試合前後にファンが集まって盛り上がれることも含め、スポーツフリークたちはWBC以前から高揚感を得ていたのです。

もちろんスポーツフリーク以外の人々も、自由に声を出して楽しめないシーンが多かったでしょうから、国民一体となって盛り上がれるWBCは、「コロナ禍の終わり」を告げるスイッチのような存在なのかもしれません。

それは選手たちも同様であり、栗山監督は準々決勝の試合後に、「いかにみなさんの声援や思いが大きなものかっていうのは、あらためてわかりました」と語っていました。日本人にとってWBCというイベントのイメージは限りなく上がり、今後の大会も国民的イベントとみなされることは間違いなさそうです。

そして高揚感という意味でもう1つ挙げておきたいのは、3月という開催時期。

「春」はビッグイベントの空白期間

WBCは以前からNPBもメジャーリーグもシーズン直前という開催時期を「トップパフォーマンスが望みづらい」「ケガのリスクが高い」などの理由から問題視する声が目立っていました。ただ、それらの理由に納得こそできるものの、見る人々の“盛り上がり”という点に関しては、「逆にベストではないか」と感じるのです。

スポーツの2大ビッグイベントであるサッカーワールドカップの開催は6~7月で、例外だった昨年のカタール大会も11~12月。さらに夏季オリンピックは7~8月、冬季オリンピックは2月に開催されます。つまり、3月はスポーツのビッグイベントにおける空白期間の1つ。日本で言えば、約3カ月続いた冬の寒さが消え、高揚感を得やすい春という季節も、WBCに対するポジティブなムードにつながっているように思えてならないのです。

WBCの日本ラウンド開催中にあたる14日に東京の桜が開花しました。まるで日本チームの躍進に合わせたかのようなめぐり合わせを感じさせられます。開花時期の短い桜と短期決戦のWBCは「集中的に盛り上がれる」という共通点がありますし、だからこそ「乗り遅れないように」と人々の熱が高まり続けているのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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