WBCと侍ジャパンがここまで盛り上がる5つの理由 大谷翔平の凄さだけじゃない熱狂の背景

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これまで夏季オリンピックの柔道や女子レスリングでは、「最初から優勝を本気で期待して見る」というケースが少なくない一方、球技の団体戦ではそれがありませんでした。何かにたとえるとしたら、サッカーワールドカップにおけるブラジル、アルゼンチン、フランス、ドイツ、スペインなどの国民感覚に近いのかもしれません。

大会前から各国のメディアが日本をドミニカ、アメリカと並ぶ優勝候補に挙げていました。さらに、1次ラウンドに続いて準々決勝も圧勝したことで、現在は各国メディアが優勝候補の筆頭に浮上。今回のWBCは多くの日本人が「優勝候補筆頭」という自負を持って、「最初から優勝するつもりで本気の応援ができる」というレアケースなのです。

外国人選手や記者の日本に対するリスペクトは、国民性や食文化などにも広がっていますが、それも侍ジャパンの強さがベースにあってこそ。今回のWBCで「日本には誇れるものがたくさんある」ことを再確認した人は少なくないでしょう。

選手たちのキャラクターが面白い

「こんなに○○な日本代表チームを見たことがない」は、もう1つあり、それが間違いなく現在の盛り上がりにつながっています。

2つ目の理由は、「こんなに個性あふれる愛すべきキャラクターがそろった日本代表を見たことがない」こと。もちろんベーブ・ルース以来の記録を次々に塗り替える“世紀”のワールドスーパースター・大谷翔平選手が凄いのは確かですが、決してワンマンチームではないことがさらなる応援をうながしています。

チーム最年長の36歳になってかつてのやんちゃなイメージが消え、自らの経験や技術を惜しげもなく伝えるダルビッシュ有選手。「日本人より日本人らしい」と言われる謙虚さがありながらも、闘志むき出しのヌートバー選手。小柄ながら並外れたパワーでダンベル型の応援グッズがある「マッチョマン」こと吉田正尚選手。豪快なスイングが売りの大砲なのに、おっとりとしたイジられキャラで、ヒーローインタビューでも「最高です!」しか言わない岡本和真選手。異次元の出塁率から「出塁率お化け」と言われ、ルートバー選手と大谷選手の間をつなぐ近藤健介選手。

それ以外でも、底抜けに明るい性格で盛り上げ、沖縄出身から「アグー」と呼ばれ、侍ジャパンの「宴会部長」を務める山川穂高選手など、控えにまわった選手にも愛すべきキャラクターが少なくありません。山川選手のような各チームの王様と言える選手たちが国のために普段とは異なる姿を見せ、感動を誘っています。

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