WBCと侍ジャパンがここまで盛り上がる5つの理由 大谷翔平の凄さだけじゃない熱狂の背景

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しかし、WBCがスタートし、試合前後や勝利監督インタビューなどで語る機会が増えると、栗山監督を支持する声が次々にあがりはじめました。主に支持を集めているのは、常に選手を守り、ファンに感謝するという姿勢を貫いていること。活躍したら手放しで称え、不振にあえいでも調整の難しさや緊張感を伝えるなど、フォローの言葉を欠かさず、スタジアムに来られない人のことまで気づかうコメントも目立ちます。

また、準々決勝後の勝利監督インタビューでは、エンゼルスのチームメイトと写真を撮る大谷選手にカメラマンが集まり、観客が盛り上がると、「ちょっと待とうか」と自ら話を中断して終わるのを待つ気配りを見せました。

栗山監督
栗山英樹監督のリーダーシップも大きな要因です(写真:CTK-Photo/アフロ)

その後の会見でも、選手への「感謝しています」とファンへの「感謝しています」を連呼したほか、ダルビッシュ選手に対する思いを吐露。「『ダルビッシュ・ジャパン』と言ってもいいくらい彼がやってくれたことっていうのは、本当に自分のことはさておいてチームためだったり、野球のためだったり、将来のためだったりということは、いつかきちんとみなさんにお伝えしようと思うくらい感謝しています」と称賛の言葉を贈っていました。

大谷選手が「『初めて高校生のときに会ってから(代表の現在まで)印象としてはまったく変わっていないな』というか、プロ野球の監督っぽくないような雰囲気を持っている方だと思います。人間的にも含めていろいろ勉強させてもらいました」と語っていたように、これほど“私”を捨てて、選手ファーストで裏方にまわれる監督はなかなかいないのでしょう。

さらに「負けたら終わり」の決勝ラウンドに入ってからは、これまで通り穏やかながらも、強烈な勝ちへの執念も見せはじめるようになりました。選手たちを「翔平」「ダル」「たっちゃん」「ムネ」「正尚」「和真」「源ちゃん」などと親しみを込めてコミュニケーションを取っていることも含め、多くの日本人が「理想の上司」というイメージを抱きはじめたのではないでしょうか。

「コロナ禍」の終わりを告げるWBC

WBCと侍ジャパンがここまで盛り上がっている5つ目の理由は、2023年春という開催時期のタイミング。

13日に新型コロナウイルスの感染予防として続けられてきたマスク着用のルールが「個人の判断」となり、各所のアクリル板が撤去されるなど、この春は“コロナ禍”の暗いムードが一気に薄れています。

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