「ABEMA」がW杯全試合生中継を実現できた理由 10年先も成長を続けられるエンジニアの条件
ーーそう考えるようになった理由は?
西尾:明確にきっかけがあるわけではないんですが、前職にいた頃も、サイバーエージェントで働き始めてからも、途中で伸びなくなってしまうエンジニアや、道半ばで挫折してしまうエンジニアを数々見てきました。
そういう人たちと、10年先まで進化して伸び続けていく人の違いは何か。そう考えたときにたどりついたのが、結局のところ、コトを成すための熱量を持っている人かどうかということだったんです。
そして、コトを成すには、技術を正しく手段として使うことができることが必要。それでいて、技術をなめていないことが大事だなと思いますね。
『ABEMA』の挑戦はまだまだこれから
ーー10年進化し続けるエンジニアでいるために、エンジニア自身ができることは?
西尾:そうですね、まずは自分の仕事に線引きをしないことでしょうか。何か成し遂げたいことがあるときって、「自分はここだけやっていればいい」とはならないはず。
逆に「自分の領域はここまでだ」って決めてしまっているときは、視野も広がらないし、成すべきことに向かえなくなってしまうと思うんですよね。
そして、そもそも自分がすごい熱量をもって取り組めることがない場合にも、今いる場所にとどまっているだけではきっとそういうものは見つからない。
一度、自分で決めた仕事の境界線をとっぱらっていろいろなことにチャレンジしてみると、熱を注げる何かが見つかるかもしれません。
——今後『ABEMA』で挑戦していきたいことは?
西尾:昨年はW杯全試合の生配信という大きなプロジェクトを乗り越えられて、一仕事終えた感じはしますが、『ABEMA』の挑戦はまだまだこれからだと思っています。
今回のW杯を機に新しくユーザーになってくださったお客さまをどうつなぎとめていくのか。今後も、『ABEMA』のコンテンツを楽しんでいただくには何が必要なのか。『ABEMA』のシステムが本来どうあるべきかというところも含め、改めて考えていくフェーズだと思っています。
容易ではないことですが、「新しい未来のテレビ」の発展に向けて、着実にステップアップしていけたらと思います。
2011年に株式会社サイバーエージェントに入社。Amebaスマートフォンプラットフォーム基盤、ゲーム向けリアルタイム通信基盤の開発を経て、16年に『ABEMA』の立ち上げに参画。18年より株式会社AbemaTVでCTOを務める
取材・文/夏野かおる 編集/栗原千明(編集部)
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