小麦不使用の麺「ZENBヌードル」がSNS賑わすワケ 原料が「黄えんどう豆100%」のパスタとは?

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一般の流通にのせたほうが、価格面でも売れ行きの点でも有利だ。しかしブランドの世界観を理解し、共感してもらいながら広めていくために、あえてオンライン販売とD2Cを採用したという。利用者と細やかに相互コミュニケーションができるのが、D2Cの大きな特徴だからだ。

加えて商品開発やレシピに利用者の声も利用し、ブランド自体を共創しながら育てていくというのが、同社の戦略だ。

飲食店と組んでのプロモーションも積極的に行っている

しかし理念は理解してもらっても「味のよさ」を体験してもらわなければ魅力が伝わらない。体験機会を増やすために飲食店と組んでのプロモーションも積極的に行っている。前述の佐藤氏によると、ZENBの方針に共感してくれる飲食店をパートナーとし、コラボイベントやメニュー開発、自店メニューにZENBを使うなどで協力してもらっているそうだ。

公式サイトでは、そうした「ZENBが食べられるお店」が掲載されている。個人店からチェーン店までさまざまだが、長期的に提供している店としては高たんぱく、低糖質の宅配冷凍弁当を提供する「筋肉食堂DELI」やホテルニューオータニ東京などが挙げられる。

今回、ZENBが食べられる飲食店の一つとして、グルテンフリーパスタ専門店nishに話を聞いた。

運営元は、ロウリーズ・ザ・プライムリブなど高価格帯飲食チェーンを展開するワンダーテーブル。nishは同社が西麻布の住宅街で実験的に展開する、複数のデリバリー専門ブランドの一つとして2021年10月にスタートした。

ワンダーテーブル料理長の塩田洋介氏(筆者撮影)

グルテンフリーパスタ専門店nishを始めた理由は、同店シェフの塩田洋介氏がZENBの大ファンだったからだそうだ。

「欧米に比べ、日本はグルテンフリーへの対応が遅れている。自分自身もグルテンはなるべく避けているし、家族や親しい人にもグルテンフリーの料理を振る舞うことが多い。そうした考えもあって、ZENBは発売されたときから食べている。

グルテンフリー食を提供している店が少ないので、専門店を始めたら喜ばれると考えた」(ワンダーテーブル料理長の塩田洋介氏) 

同店ではZENBを使用した8種類のパスタメニューを提供している。そのうち、「短角牛と佐賀レンコンのボロネーゼ」(配達1800円、持ち帰り1000円)を試食した。短角牛は東北で荷役などに使われていた種をもとにつくられたブランド牛で、脂肪分が少ないのが特徴だという。

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