新日鉄住金、報告書に浮かぶ連続事故の真因

なぜ1年間で5度もトラブルが起きたのか

昨年9月、爆発事故を受け、当時の製鉄所長(右)らが謝罪会見を開いた

ただし、DAPS炭は石炭を高温で熱して乾燥させるため、自己発熱を招きやすい、という問題を抱えていた。そして、これが今回の事故につながった。

DAPS設備は1990年に大分製鉄所で利用が始まり、2010年から名古屋製鉄所でも稼働している。同製鉄所では、昨年8月31日から9月15日までの日程で、非微粘結炭を加工するDAPS設備の定期修繕を行うことになっており、修繕に入る前にDAPS炭はすべてコークス炉に投入されるはずだった。

ところが、コークス炉に投入する前に保管する4つの貯蓄槽のうち、3つの槽ではDAPS炭が処理されたものの、事故が起きた貯蓄槽だけはDAPS炭がそのまま放置されていた。

その原因について、会社側は「現在当局が調査中で、その理由については回答できない」とした。調査後に入れ替えを行わなかった理由を公表するかについても、「回答できない」としている。

事故の1年前にも同様のトラブル

報告書によれば、この石炭の貯蓄層にDAPS炭は4日間放置された。設備内で必要以上に高温に熱せられた石炭塊が混入したため、自然発熱が進んだ。温度が上昇したことで可燃性ガスの一酸化炭素が発生し、そこに何らかの火花が散って火災が起きたとみられている。

新日鉄住金は火災が起きた時点で手動の散水設備を稼働させようとしたが、一酸化炭素の濃度が高く、近づくことができなかった。そこで、DAPS炭を保管していた貯蓄槽から排出したところ、石炭と入れ替わりで空気が流入。一酸化炭素と空気中の酸素、燻っていた火が一気に反応し、爆発に至ったものとみられる。

報告書で明らかになったことが、もう1つある。今回の事故が起きるちょうど1年ほど前の2013年7月にも、同じ名古屋製鉄所の、まさに同じ石炭貯蓄槽でまったく同様のトラブルが起きていたということだ。

当時も同じ貯蓄槽で機器の一部が故障したことから、DAPS炭が9日間にわたって貯蔵されたままになっていた。それが発熱して白煙が出たため、急きょ石炭を取り出し、散水を行った。

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