「自分だけ活躍してない」中年社員が抱く深い絶望 「東洋思想」から"苦境を脱する方法"を読み解く

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目覚めても、しばらく嫌な気分が頭を離れない。

(これは正夢かもしれないな……)

会社を辞めた元部下は、新しいスキルを身につけて活躍している。ところが自分はどうだ? 昔ながらのスタイルのまま、単調な仕事をしているだけじゃないか……。

そう思うと、自分だけが時代に取り残されてしまったようで、焦りの感情が湧いてきた。

苦境にいる人をまわりは見ている

どんな時代でも不遇なリーダーはいました。

というより、何かに挑戦する人はみんな、不遇な時代を経験する運命にあると言ってもいいのかもしれません。

「偉大な人物とされている人々も、必ずしも幸せな人生を送ったわけではない」

こう説いたのは、古代中国の思想家・荀子です。

古代の聖王であった舜(しゅん)と堯(ぎょう)は、孝行をする人であったが親から疎外される人生を送った。同じく武将である殷の比干(ひかん)と呉の子胥(ししょ)は、君主にさまざまな忠告を行ったが、聞き入れられずに殺された。

仲尼(ちゅうじ。孔子のこと)と、その弟子である顔淵は共に知恵があり、諸国遊説なども行ったが、誰にも重用されなかった。

どれほど自分の置かれた環境が意に沿わないものであったとしても、嘆いたところで何も始まらない。どんな世界にも良い点があるのだから、それを発見していく方がいいだろう。

このように現実的なアドバイスをしています。

荀子が言うように『論語』がのちに世界中で読まれるようになる孔子も、生前に高く評価されたわけではありませんでした。孔子本人の人生はとても不遇なものであったようです。

弟子がそれを気にかけて、「先生はもっと評価されてもいいはずだ」と述べると、孔子はこう言ったそうです。

子曰く、人の己を知らざるを患(うれ)えず。己の能(よ)くするなきを患う。
現代語訳:孔子先生は言われた。「人が自分のことを知らない(評価してくれない)ことを心配するな。自分が知られるだけの力がないことを反省して、更に努力すればよい」。
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