日産「キューブ」コンパクトハイトワゴン時代へ 商品価値を視覚的に訴えかけた四角い造形の妙

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 最新
拡大
縮小
CG13DEエンジン
初代キューブに搭載されていた直列4気筒1.3LのCG13DEエンジン(写真:日産自動車)

2代目マーチの機能を活用することで生まれた初代キューブは、時代の先端技術とともに、新たな時代が求めたハイトワゴンという価値に適合し、人々の注目を集めることになったのである。当時は、マツダから初代「デミオ」が1996年に生まれており、これも初代はハイトワゴンの姿であった。

キューブは、発売間もなくCVTにクリープをつける進化をし、通常のオートマチック車と同様の運転のしやすさを提供した。4輪駆動車も追加になり、ハイトワゴンという性格上、さまざまな地域、さまざまな路面や交通状況への適合も行われた。

2代目でキャラクターを強め、記憶に残るクルマへ

た2代目キューブ
2002年にデビューした2代目キューブ(写真:日産自動車)

本来は、1990年代の話をすべきだが、人気のハイトワゴンであるキューブをより浸透させ、記憶に残したのは2代目ではないか。初代キューブは4年という短期間で販売を終え、2002年に2代目へモデルチェンジした。

2代目は、立方体という意味のキューブをまさに具現化した造形で、全体を四角く割り切った姿が特徴的だった。その外観から室内が広く、荷物もたくさん載せられそうな空間を想像させたのである。ハイトワゴンの価値を、外観で表現した2代目キューブは、単に四角い造形だけではなく、車体後ろのゲートを跳ね上げ式でなく扉のように横へ開ける仕組みとし、そのため後ろ姿が左右で異なる独特な造形が用いられてもいた。あわせて、側面後ろ側の窓の造形も左右で異なっていた。それは、背後の扉の造形と関連している。

次ページ3列シートのキューブキュービックという派生車種も誕生した
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT